文学・芸術

(短編)声をかけなかった旅人

ある森に、鳥たちの一族が暮らしていました。高い木々の間を自由に飛び回り、風を読み、空を渡ることを誇りとして生きていました。その一族の中で、一人だけ、羽を持たない人間の子どもが育てられていました。その子は、鳥たちに大切にされていました。食べ物...
仁泉堂医院

おさんぽ会を開催

4月29日(昭和の日)に、仁泉堂の「おさんぽ会」を開催しました。今回は欠席の方もいましたが、私を含めて5人で、私の母校である 群馬大学 周辺をゆっくり散歩しました。道を歩きながら、学生時代の思い出をたどっていると、水路のそばで参加者のお一人...
文学・芸術

(短編)終わらない食卓

私は、眠っているあいだにどこかへ連れてこられたらしい。それ以前の記憶は、霧がかかったように曖昧で、ほとんど思い出せない。気がつくと、見知らぬ部屋の中にいた。白い壁、窓のない静かな空間。そして、正面の壁に一枚の紙が貼られている。「テーブルの上...
日常

激坂の中で見えてくるもの

昨日、週末の練習会で桐生水道山の通称「激坂」に挑みました。1本およそ900m、平均斜度10%の登りを、5本×2セット。走っている最中は、余裕などほとんどありません。姿勢を保つこと、呼吸を崩さないことに意識を向けながら、ただ一歩ずつ前に進む。...
文学・芸術

なくてもいい、けれど

かつての私は、「精神科医っている意味あるの?」「森田療法なんて、もう古いでしょう」そんな言葉に触れるたび、胸の奥で静かに怒りを押しとどめながら、その存在意義を語ろうとしていた。けれど今、同じ言葉を聞いても、以前のような波は立たない。精神科医...
森田療法

「一度やってみる」と、体が教えてくれる

私はこれまで、群馬県外・県内のさまざまなトレイルランニングレースに出てきました。県内のレースでは、よく「試走」といって、本番前にコースを実際に走って体験しておくようにしています。最近になって、この「試走をする・しない」の違いを、自分の言葉で...
日常

からだ(体)と仲良くなることから始まる変化

私たちの体は、特別に意識しなくても、ある程度は自ら成長し、日々を支えてくれています。栄養をとり、適度に体を動かし、しっかり休む――その基本を整えることが、健やかに過ごすうえで大切です。中には、より丁寧に体のメンテナンスをされている方もいらっ...
森田療法

劣勢の盤面から学ぶ ― リレー将棋と森田療法

3月20日に開催した仁泉堂将棋大会では、私にとって初めての経験となる「リレー将棋」を行いました。数人で交代しながら一局を指していく形式で、普段の将棋とはまた違った面白さがありました。その後、コンピュータ相手に将棋を指していて、自分の中に変化...
仁泉堂医院

黒いピースも、人生の一部かもしれません

ある患者さんとの対話の中で、今も印象に残っているやり取りがあります。その方が、ふとこんな言葉を口にされました。「生活のひとつひとつの体験は、パズルのピースのようなものだと思うんです」その瞬間、私の頭の中には一枚の黒いピースが浮かびました。見...
日常

自分との対話から生まれる診療

ふと気づくと、私は自分自身と対話をしている。たとえば山を走っているとき。呼吸は乱れていないだろうか、ペースは速すぎないだろうか。栄養や水分の補給は、今の身体にとってちょうどよいだろうか――。そんな問いを、自分に静かに投げかけ続けている。同じ...
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