人間・社会

赤城山トレイル試走記|現実を知り、挑戦する走りへ

試走の目的は「守り」ではなく「攻める」ため先日、トレイルランニングの練習チームの仲間と一緒に、4人で赤城山トレイルランニングレース(32km)の試走を行いました。試走の最大の目的は、「リスクを避ける」ためだけではありません。リスクを最小限に...
森田療法

「あるがままを生きる」とは?──mindではなく、soulに近づく生き方

「自分らしく生きたい」「もっと自然に生きたい」——そんな思いを抱く人は多いと思います。けれど、それを実現するのは簡単ではありません。なぜなら、私たちは日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに「こうあるべきだ」「こうすれば人に認められる」とい...
仁泉堂医院

変わる勇気が湧き出る泉

「傾聴」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。セラピストが、話をよく聴き、共感し、クライアントを理解しようとする態度――それは安心感につながりますし、大切な姿勢でもあります。しかし、それだけでは十分ではありません。本当の意味で...
森田療法

障害物があるのが普通、それが人生のデフォルト

最近、人と話していると、「ストレスが多くて疲れる」「こんなにうまくいかないなんて…」といった言葉をよく耳にします。そんなとき、「そもそも、人生には障害物がないのが普通」だと思っている方が意外と多いのかもしれないと感じることがあります。けれど...
森田療法

気づきよりも、ほんの小さな一歩を

先日、こんなことを話してくれた方がいました。「〇〇さんのコラムを読んで、『否定的な感情を持つのは悪いことじゃないんだ』、そう気づいた」と。その瞬間、私は少しだけ水を差すようなことを言ってしまったかもしれません。でも、大切なことだと思って、こ...
日常

暑熱馴化は必要ですが、やりすぎ注意!

暑熱馴化(しょねつじゅんか)とは?暑さに慣れるために、計画的に暑い環境で運動を行い、発汗が早くなる体温が上がりにくくなる電解質を効率よく保てるといった体の適応反応を促すプロセスです。夏場のトレーニングやレースを安全に乗り切るために、とても大...
人間・社会

スーパーマリオから学んだ「自分のステージを地道に進むことの大切さ」

小学生の頃、我が家にはファミコンがありませんでした。だから、友達の家でたまに遊ばせてもらう「スーパーマリオブラザーズ」は、私にとって特別な楽しみでした。最初は、2-1までたどり着くのが精一杯。クリボー一匹に手こずり、ジャンプのタイミングを何...
森田療法

無限に広がる思考と、限られた現実──「考えすぎ」を手放すヒント

「可能性は無限」と聞くと、かえって身動きが取れなくなることがあります。頭の中では選択肢がいくらでも思い浮かぶのに、実際に選べるのは今日の行動ひとつだけです。思考は無限、行動は有限思考の世界:もし〇〇だったら? 本当にこれでいい?──終わりの...
コミュニケーション

「わかってほしい」と思うとき──その苦しみを超えるために

「どうして家族はわかってくれないんだろう」「医者に話しても、何かズレている気がする」そんなふうに感じたことがある方は、少なくないと思います。誰かに自分のことを「わかってほしい」という思いは、心がつらいときほど強くなるものです。けれど、実はこ...
仁泉堂医院

過去に傷ついたあなたへ――未来は今、選べる

いじめられた体験があるから、不安で動けないんです。そんなふうに話す方が、私の外来にも来られます。とても自然な気持ちだと思います。あんな思いをもう一度するくらいなら、踏み出さないほうがいい。そう思ってしまうのは、むしろ心が健全に反応している証...
森田療法

「あるがままを生きる」とは?──mindではなく、soulに近づく生き方

「自分らしく生きたい」「もっと自然に生きたい」——そんな思いを抱く人は多いと思います。けれど、それを実現するのは簡単ではありません。なぜなら、私たちは日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに「こうあるべきだ」「こうすれば人に認められる」とい...
森田療法

障害物があるのが普通、それが人生のデフォルト

最近、人と話していると、「ストレスが多くて疲れる」「こんなにうまくいかないなんて…」といった言葉をよく耳にします。そんなとき、「そもそも、人生には障害物がないのが普通」だと思っている方が意外と多いのかもしれないと感じることがあります。けれど...
森田療法

気づきよりも、ほんの小さな一歩を

先日、こんなことを話してくれた方がいました。「〇〇さんのコラムを読んで、『否定的な感情を持つのは悪いことじゃないんだ』、そう気づいた」と。その瞬間、私は少しだけ水を差すようなことを言ってしまったかもしれません。でも、大切なことだと思って、こ...
森田療法

無限に広がる思考と、限られた現実──「考えすぎ」を手放すヒント

「可能性は無限」と聞くと、かえって身動きが取れなくなることがあります。頭の中では選択肢がいくらでも思い浮かぶのに、実際に選べるのは今日の行動ひとつだけです。思考は無限、行動は有限思考の世界:もし〇〇だったら? 本当にこれでいい?──終わりの...
仁泉堂医院

過去に傷ついたあなたへ――未来は今、選べる

いじめられた体験があるから、不安で動けないんです。そんなふうに話す方が、私の外来にも来られます。とても自然な気持ちだと思います。あんな思いをもう一度するくらいなら、踏み出さないほうがいい。そう思ってしまうのは、むしろ心が健全に反応している証...
仁泉堂医院

【実施報告】第二回・屋外清掃セラピーを開催しました!

先日、私が企画した「屋外清掃セラピー」の第2回目を実施しました。今回は、事前にお声かけしていた中から3名の方が参加してくださいました。「屋外清掃セラピー」って?この活動は、森田療法の実践にもとづく、屋外でのグループ活動です。敷島公園や利根川...
森田療法

我選ぶ、ゆえに我あり──「私」を取り戻す選択の力

哲学者デカルトは、「我思う、ゆえに我あり(Cogito ergo sum)」という言葉を残しました。「考えている私の存在は否定し得ない」――思考によって自我を証明するこの言葉は、とても有名です。ですが私は、森田療法を土台としながら自然適応療...
森田療法

「生き方」を見つめ直す勇気 〜心の回復のために〜

精神科を訪れる方々と日々向き合っていると、「今のままの生き方を変えたくない」という強い気持ちに触れることがあります。これは一見すると「頑固さ」とも感じられるのですが、よくよく話を聞いてみると、それまでの人生で培ってきた信念や価値観に深く根ざ...
森田療法

「睡眠障害は医療で治すもの?」――自然のリズムに立ち返る視点から

最近、「睡眠障害は医療機関にかかろう」というキャンペーンを目にする機会が増えました。確かに、睡眠は心身の健康のバロメーターであり、乱れた睡眠が続けば日中の活動にも支障をきたします。その意味で、「早めに相談を」というメッセージには一理あります...
仁泉堂医院

自然適応療法のルーツと、その独自性について

―― 欧米の自然療法とは違う、日本生まれの「自然との向き合い方」「自然適応療法」という言葉を、私たちは最近使い始めました。名前から「ナチュロパシー」や「自然療法」といった欧米発のアプローチを連想される方もいるかもしれませんが、私たちの自然適...
人間・社会

赤城山トレイル試走記|現実を知り、挑戦する走りへ

試走の目的は「守り」ではなく「攻める」ため先日、トレイルランニングの練習チームの仲間と一緒に、4人で赤城山トレイルランニングレース(32km)の試走を行いました。試走の最大の目的は、「リスクを避ける」ためだけではありません。リスクを最小限に...
森田療法

「あるがままを生きる」とは?──mindではなく、soulに近づく生き方

「自分らしく生きたい」「もっと自然に生きたい」——そんな思いを抱く人は多いと思います。けれど、それを実現するのは簡単ではありません。なぜなら、私たちは日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに「こうあるべきだ」「こうすれば人に認められる」とい...
ダイエット

「壊して、つくる」──身体は分子レベルで日々、生まれ変わっている

私たちの身体は、毎日少しずつ壊れ、そして新しく作り直されています。この営みは「新陳代謝」と呼ばれ、筋肉や骨、皮膚、血液などの組織では、細胞レベルでの世代交代も行われています。けれども、すべての組織で細胞が入れ替わるわけではありません。たとえ...
人間・社会

「動物園の動物」と「野生の動物」──神経症との意外な関係

私は時折、動物園で暮らす動物たちを眺めながら、「この子たちは幸せなんだろうか?」と、思うことがあります。餌ももらえる、天敵にも襲われない、医療も整っている。それでも、彼らの目がどこか遠くを見つめているように感じるのは、私だけでしょうか。■ ...
森田療法

我選ぶ、ゆえに我あり──「私」を取り戻す選択の力

哲学者デカルトは、「我思う、ゆえに我あり(Cogito ergo sum)」という言葉を残しました。「考えている私の存在は否定し得ない」――思考によって自我を証明するこの言葉は、とても有名です。ですが私は、森田療法を土台としながら自然適応療...
自然適応療法

自分の暮らしを整える力──薬に頼る前にできること

眠れない、体が重い、なかなか痩せない――こうした不調を感じるとき、薬での解決を考える方も多いかもしれません。けれど、ちょっと立ち止まって、自分の暮らしを見つめ直してみることで、体は自然に整っていくこともあります。不調は「暮らしの声」私たちの...
森田療法

「生き方」を見つめ直す勇気 〜心の回復のために〜

精神科を訪れる方々と日々向き合っていると、「今のままの生き方を変えたくない」という強い気持ちに触れることがあります。これは一見すると「頑固さ」とも感じられるのですが、よくよく話を聞いてみると、それまでの人生で培ってきた信念や価値観に深く根ざ...
日常

鉢植えのアジサイと庭のアジサイ――回復のヒント

連休が明けてふと鉢植えのアジサイを見ると、花や葉がしおれていました。どうやら水やりを忘れてしまったようで、負担をかけてしまったようです。慌てて水をあげると、少しずつ元気を取り戻してくれましたが、それでも季節が進めばやがて花は朽ちていくでしょ...
仁泉堂医院

“このままでいいのか?”が、はじまりだった

人は誰しも、自分なりの「正しさ」を持っているものです。そして、その正しさがまわりの人たちと一致しているかどうか、つまり「多数派かどうか」を気にしてしまうことも少なくありません。けれど、本当に大切なのは、今この現実に向き合いながら、自分の中の...
自然適応療法

学び方はひとつじゃない──自然な選択が子どもを育てる

あるお子さんが、集団での学習が難しく、特別支援学級を利用していました。ところが、その支援学級の人数が15人を超えると、そこにも通えなくなってしまいました。支援学級は本来、一人ひとりに合った学びを保障する場所のはずです。しかし現実には、別の集...
森田療法

障害物があるのが普通、それが人生のデフォルト

最近、人と話していると、「ストレスが多くて疲れる」「こんなにうまくいかないなんて…」といった言葉をよく耳にします。そんなとき、「そもそも、人生には障害物がないのが普通」だと思っている方が意外と多いのかもしれないと感じることがあります。けれど...
日常

暑熱馴化は必要ですが、やりすぎ注意!

暑熱馴化(しょねつじゅんか)とは?暑さに慣れるために、計画的に暑い環境で運動を行い、発汗が早くなる体温が上がりにくくなる電解質を効率よく保てるといった体の適応反応を促すプロセスです。夏場のトレーニングやレースを安全に乗り切るために、とても大...
仁泉堂医院

心のトレーニングにも「チーム分け」があるとしたら?

毎週、私はランニングの練習会に参加しています。自分のその日の体力や調子に合わせてチームが分かれていて、それぞれ決められたペースで走るスタイルです。A〜Cのチームに分かれ、ペース走やビルドアップ、インターバルなどのメニューをこなしていきます。...
日常

ツツジ咲く赤城山で感じた、もうひとつの爽快感

週末は、赤城山でハイキングをしてきました。歩いたルートは、長七郎山、地蔵岳、鈴ヶ岳、出張山、薬師岳、陣笠山をめぐる約16kmのトレイル。赤城らしい起伏に富んだ道のりを、普段より時間をかけつつも、しっかりと歩きました。ちょうどツツジが咲き始め...
運動

走れるだけじゃ足りなかった!?ラグビーで気づいた体の使い方

週末、久しぶりにラグビーの試合に出場しました。といっても一年に数回だけ結成される、医学部ラグビー部のOBチームの一員として、7人制ラグビー、いわゆる「セブンズ」の大会に参加したのです。メンバーは26歳から58歳まで。年齢の幅はまるで三世代に...
日常

水沢山最速タイムと、山で出会った“人生の先輩”

先日、1ヶ月ぶりに水沢山に登りました。天気は曇りでしたが、ひんやりとした穏やかな気候でした。日々のランニングやトレーニングの成果もあって、今回は駐車場から頂上まで35分。これまでで一番のタイムで登ることができ、素直に嬉しく感じました。下山時...
精神医学・精神医療

暗闇だから見えた、一歩の大切さ ― トレイルと心の共通点

先が見えないことは、不安かもしれない。でも、見えないからこそ、心が折れずに進めることがある――。真っ暗な山道を走り続けたレースの中で、私は大切なことに気づきました。先月、私はトレイルランニングレース「Mt.FUJI 100 KAI 70K」...
仁泉堂医院

アスリートのメンタルケアと神経症治療の共通点

人間の心は、しばしば現実を歪めて捉えてしまいます。神経症の患者さんは、「起きてもいないこと」を恐れ、「変えられないもの」をなんとか変えようと焦ります。そしてその努力が、かえって不安を強め、心を疲弊させていくのです。同じことが、アスリートの世...
日常

登りのフォームが見つからないまま、練習会を終える

いつもトレーニングで登っている水沢山で、練習会が行われました。参加者の中には、私よりもずっと速いメンバーが揃っていて、ついていくのがやっと。いや、正直に言えば、全然ついていけませんでした。「脚をもっと早く地面から離すといいよ」「体重はもう少...
仁泉堂医院

診察室をハイテーブルに変えました──「立つこと」と「対話の場」

先週から、クリニックの診察室のテーブルをハイテーブルに変えました。これには2つの理由があります。1. 立って診察するという選択私はランナーとしてのパフォーマンス向上のため、月に一度トレーナーさんに診てもらっています。先日、そのトレーナーさん...
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