「明日は大事な仕事があるのに眠れない」
「絶対に休めないのに頭が痛い」
このような悩みを抱えて医療機関を受診される方は少なくありません。そして、多くの方が「何とか症状を消して、予定どおり動けるようにしてほしい」と考えています。
しかし、私は少し違った見方をしています。
眠れないということは、「今のままの無理な姿勢で明日を迎えない方がよいのではないか」という身体からのメッセージかもしれません。
頭痛もまた、「絶対に休めない」という考え方そのものに対して、身体が異議を唱えているサインである可能性があります。
私たちはつい、「頭で考えていることが正しく、身体がそれについてこない」と考えがちです。そして、身体の不調を自分の意志の妨げとして扱ってしまいます。
しかし、本来、身体は自然の一部です。身体の反応には、それなりの理由があり、自然の摂理に沿った働きが含まれています。
自分の気持ちや身体の状態を無視して、「こうあるべき」「期待に応えなければならない」と頑張り続ける人ほど、身体から強いメッセージを受け取ることがあります。
だからこそ、ときには身体の声に耳を傾けることが大切です。
もちろん、「そんなことを言っても仕事を休めない」「周囲の信頼を失ったら困る」と感じる方もいるでしょう。
しかし、身体からのサインを薬だけで抑え込み、無理を重ねながら社会の要請に応え続けていると、結果としてより大きな心身の不調につながることもあります。
私は、単に症状を消すことだけを目的にするのではなく、その症状が何を伝えようとしているのかにも目を向けたいと考えています。
ただし、ここで注意しなければならないことがあります。
身体は十分に動ける状態であるにもかかわらず、不安や恐怖を避けたい気持ちから行動できなくなってしまうことがあります。
この場合、実際には身体の力が失われているわけではありません。むしろ身体の側には「やってみたい」「動きたい」という自然な欲求が残っています。
それにもかかわらず、その気持ちに従わずじっとしているとき、現代ではスマートフォンの動画視聴やゲーム、SNSなどに没頭してしまうことがあります。
これらは一時的な気晴らしとして役立つこともありますが、ときには身体からの「動きたい」というメッセージを感じにくくし、不安から目を背け続ける手段になってしまうこともあります。
大切なのは、身体から送られてくるさまざまなメッセージを丁寧に受け取り、「こうあるべき」という考えだけに縛られないことです。
とはいえ、長年身についた考え方や行動パターンを一人で見直すことは、決して簡単ではありません。
外来森田療法は、このような悩みに対して有効なアプローチの一つです。
不安や症状を無理に取り除こうとするのではなく、身体の自然な反応を受け入れながら、自分らしい行動を取り戻していくお手伝いをしています。
心や身体の不調でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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