完璧を目指すなら、今できることを

仁泉堂医院

先日、「完璧主義なところが強くて……」と悩んでいる患者さんと話をしていました。

そこで、「完璧主義とは、いったい何を完璧にしようとしているのだろう」ということがテーマになりました。

そのとき、私の中に浮かんだのは、

「1週間後のベストな自分」のようなものを、あらかじめ想定してしまうことなのではないか、ということでした。

しかし、1週間後の自分がどうなっているのかは、原理的には決めることができません。

その間に何が起こるのか、自分の気持ちがどう変化するのか、誰と出会うのか。いろいろなことが、その時々の自分の行動に影響してきます。

一方で、今この瞬間に、自分が納得できる行動を選ぶことはできます。

もちろん、それも「絶対に正しい選択」という意味ではありません。

その時点で、自分なりに「これでやってみよう」と思える行動を選ぶ。

そして、その瞬間瞬間の選択が積み重なった結果として、1週間後の自分が生まれてくる。

そう考えると、「1週間後のベストな自分」をあらかじめ決めて、そこに向かって完璧に進もうとする必要はないのかもしれません。

もし、どうしても完璧を目指すのであれば、

今、この瞬間に、自分が納得のいく行動を選ぶことに、できる限りを尽くす。

それで十分なのではないでしょうか。

そして、これは森田療法の姿勢にもつながってきます。

不安があっても、気分がすぐれなくても、何かにとらわれていても、そのことをどうにかしてから行動しようとするのではなく、今できる生活や仕事の行為に手をつけていく。

「この状態の自分では、まだ十分ではない」と考えて、完璧な状態になるのを待つのではない。

今の自分のまま、その時点でできることをやっていく。

そうしているうちに、その先の自分が生まれてくる。

「完璧な自分」を先に決めるのではなく、

目の前の一つひとつの行動を、自分なりに選んでいく。

もしかすると、完璧主義から少し離れるために必要なのは、「完璧を目指さないこと」ではなく、

完璧を、今この瞬間の行動の中に置いてみること

なのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました