最近、行動課題(宿題)に取り組むことで、森田療法のいう「あるがまま」の態度を体験し、これまでよりも楽な、自分らしい生き方に少しずつ馴染んできている患者さんが増えてきました。
仁泉堂で行っている行動課題は、診察室での対話を通して、その人に合わせて具体的に決めていきます。
たとえば、
「1分間、イスに座る」
「1分間、掃き掃除をする」
「庭に出て深呼吸をする」
「石に手を合わせる」
「観葉植物に触れる」
といったものです。
どれも難しいことではありません。
ただし、毎日必ず取り組んでもらいます。
この記事を読んでいるだけでは、なぜこのようなことが森田療法になるのか、どんな効果があるのか、なかなか想像できないと思います。
ところが、実際にやってみると、「ああ、こういうことか」と、ハッと腑に落ちる方が少なくありません。
あえて言葉にするなら、頭の中で考えているだけでは「価値がない」と位置づけていた行動が、実際にやってみることで、何かしらの価値を帯びてくる。
すると、「価値があるか、ないか」ということ自体が、自分の思い込みによって決められていたのではないか、と気づいていきます。
すべてのものに価値がある、とも言える。
一方で、そもそもすべてのものに、それほど大した価値などない、とも言える。
そうなると、自分の存在や、これまでの歴史についても、あえて意味づけをし続ける必要がなくなってきます。
今、ここにいて、目の前にある状況に応じて、そのときできる行動を選んでいけばいい。
そのような自然なあり方が、少しずつ身についていくのだと思います。
そして、自分にとって自然なあり方というのは、やはり楽なのです。
こう書いてみても、やはり言葉で理解するのは難しい。
「あるがまま」は、説明して理解するものというより、実際にやってみて、体験の中からわかってくるものなのだと思います。
ぜひ、一度体験してみてほしいと思います。

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