私たちは何かうまくいかないことがあると、「なぜ失敗したのだろう」と原因を探したくなります。
もちろん、その姿勢が役立つ場面もあります。しかし、私は反省には限界があると考えています。
例えば、サイコロを2個振り、「①と①が出たら成功」というゲームを考えてみましょう。
2個のサイコロの組み合わせは全部で36通りあります。そのうち①と①になるのは、たった1通りです。つまり、成功よりも失敗のほうが圧倒的に多いのです。
サイコロは技術でコントロールできませんが、私たちの日常でも似たようなことが起こります。
例えば、大事な約束の日に家を出る直前、「鍵が見つからない」と慌てた経験はないでしょうか。
そのとき、「なぜあんな所に置いたのか」「なぜあそこで上着を脱いだのか」と細かく原因を追究しても、次に鍵をなくさない保証にはなりません。生活には偶然や、その時々の状況があまりにも多く関わっているからです。
それよりも、「玄関に鍵置きを作った」「帰宅したら必ずそこへ置くようにした」と、仕組みを少し変えてみるほうが現実的です。
ある程度コントロールできる場面でも、「成功」の条件は限られている一方で、「うまくいかない」条件は数え切れないほどあります。
反省は、人間に備わった大切な働きなのでしょう。しかし、それはほどほどで十分です。
失敗を抱え込むより、少し工夫してもう一度やってみる。そして、うまくいった経験を大切にする。
その繰り返しのほうが、自分の可能性を広げてくれるように思います。

コメント