昨日、メンタルヘルス岡本記念財団からお招きいただき、ビデオ講演の収録をしてきました。
メンタルヘルス岡本記念財団は、森田療法をはじめとするさまざまな精神療法について、助成活動や普及・啓発活動を行っている財団です。
私はこれまで、臨床と研究のテーマとして「家族療法と森田療法の現代的統合」について考えてきました。森田療法学会での発表に関心を持っていただき、今回、森田療法を実践するうえで家族という存在をどのように捉えるのかをテーマに、講演の機会をいただきました。
今回の講演は、
「牛に引かれて善光寺参り ― 家族と共に歩む、あるがままへの道 ―」
というタイトルでまとめました。
家族療法というと、家族関係に介入したり、家族を変えたり、家族に何らかの指導を行ったりすることをイメージする方もいるかもしれません。
しかし、森田療法の立場から考えると、家族をこちらの思い通りに変えようとすること自体が、ひとつの「はからい」になることがあります。
森田正馬は、自然に従うことを求めました。
家族もまた、自分の思い通りにはならない自然の一部です。
今回の講演のタイトルにある「牛に引かれて善光寺参り」という言葉は、まさにそのことを表しています。
牛を無理に止めようとするのではない。牛を自分の思い通りの方向へ引っ張ろうとするのでもない。
牛が歩いていくなら、その動きに応じてみる。すると、いつの間にか善光寺まで連れて行ってもらえるかもしれない。
家族との関係も、それに似ているのではないでしょうか。
相手を変えようとするのではなく、相手をコントロールしようとするのでもない。家族という現実をそのまま受け取り、そのなかで自分自身がどう生きるのか。
そうして歩いているうちに、気づけばこれまでとは違う場所に立っていることがある。
森田療法と家族療法を考えてきたなかで、私自身がたどり着いたのが、今回の講演のテーマです。
半年がかりで準備してきた、私にとっても大きな仕事になりました。
実際の放映は冬以降になる予定です。詳しい時期が決まりましたら、改めてお知らせしたいと思います。
ぜひ、楽しみにお待ちください。

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