働かせてもらっている

仁泉堂医院

ある患者さんが、お子さんの反抗期について話してくださいました。

その流れで、「ご自身の反抗期は、どんな感じでしたか」と尋ねると、その方は少し考えながら、生い立ちを語ってくれました。

両親は仕事で家を空けることが多く、自分は祖母に育ててもらったという実感があること。そして、その祖母はとても口うるさい人だったそうです。

「お祖母さんから言われた言葉で、今でも覚えているものはありますか」

そう尋ねると、しばらく考えた後、こんな言葉を教えてくれました。

「どんな場所でも、働かせてもらっているということは忘れるな。使われているうちが花だよ」

幼い頃から何度も聞かされていた言葉なのだそうです。

この言葉は、今置かれている立場や人生経験によって、受け取り方が変わる言葉なのかもしれません。

そのとき私は、不思議な感覚になりました。

患者さんの思い出話を聞いていたはずなのに、そのお祖母さんが、患者さんを通して私にも語りかけてくれたように感じたのです。

「働かせてもらっている」という言葉は、仕事だけを意味しているのではないのかもしれません。

私たちは、地球の上で、宇宙の中で、生きるという営みに参加させてもらっている。そのように考えると、日々の出来事も少し違って見えてくる気がしました。

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