人は誰しも、自分なりの「正しさ」を持っているものです。そして、その正しさがまわりの人たちと一致しているかどうか、つまり「多数派かどうか」を気にしてしまうことも少なくありません。けれど、本当に大切なのは、今この現実に向き合いながら、自分の中の「正しさ」にそっと問いかけてみることではないでしょうか。
そうすることで、人は自然と、現実に合った形に変わっていけるように思うのです。無理に変わろうとしなくても、状況に応じて、あるがままに自然に変わっていく――そんな力が、人間にはあると私は信じています。
私自身の精神科治療も、まさにそうした問いかけの中で変化してきました。学生時代に学んだ知識や、研修医のころに出会った先生方の教え、たくさんの名著との出会いが、私の治療の土台をつくってきました。薬物療法と精神療法を並行して行う、という方針も長年大切にしてきたものです。
けれど、開業して7年が過ぎ、日々の診療を通して、今の医療制度や社会のあり方、そして受診される方々の思いに触れる中で、「このままでいいのだろうか?」という問いが芽生えました。
その問いに向き合いながら、私は自分の治療の在り方を少しずつ見直していきました。無理に変えたというより、流れの中で自然と変わっていった、というほうが正確かもしれません。
これからも、自分自身に問いを投げかけながら、よりよい医療の形を模索していきたいと思っています。


コメント