森田療法

文学・芸術

「あるがままとするほかない」態度 — 鬼太郎と森田療法

水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』で、鬼太郎は幽霊族の末裔として、この世とあの世、人間と妖怪のあいだを行き来する存在として描かれています。物語の中で、人間は自分たちに都合のよい振る舞いを重ね、妖怪の世界に踏み込み、やがてしっぺ返しを受けます。妖...
仁泉堂医院

「場を整えるという仕事 」 — では何をしているのか

前回、仁泉堂では、医師が患者さんに薬や診断、考えの方向性を与えない、という話を書きました。では、何も与えないのだとしたら、ここではいったい何をしているのでしょうか。私は、自分の役割を「場の管理者」だと考えています。人生が「選択する行為」だと...
仁泉堂医院

「施さない医療という選択」— なぜ与えないか

私は、森田療法を「医師が患者さんに施す治療」だとは考えていません。森田療法は、誰かに何かをしてもらうことで良くなっていくものではなく、本来は、自分自身に向けて行われるものだと思っています。私自身、日々の生活や仕事の中で、不安や違和感を抱えな...
仁泉堂医院

選ぶ行為そのものが、人生である

私たちはつい、「選んだ結果」で人生を振り返ろうとします。あの進路を選んだから今がある、あの決断が成功だった、失敗だった――人生を一つの物語として整理しようとする見方です。けれど最近、私はこう考えるようになりました。人生とは、選んだ結果ではな...
森田療法

「好きではない」と言ってみる

感情・感覚に沿って言葉を選ぶこれまで私は、「よい・悪い」よりも「好き・嫌い」を大切にしよう、ということを書いてきました。ただ、「好き」「嫌い」という言葉は、ときに強く響きすぎることもあります。英語でも、I hate it. よりもI don...
仁泉堂医院

なぜ仕事の相談で、朝食の話をするのか

会社で仕事が重なり、「やる気が出ない」「もう休みたい」そう訴える患者さんに出会うことは、決して珍しいことではありません。仕事の量や内容は、いつも同じではありません。比較的余裕のある時期もあれば、同時にいくつもの案件を抱えざるを得ない時期もあ...
仁泉堂医院

第4回 屋外清掃セラピーを終えて ―「今ここ」で生きる体験

昨日、第4回の屋外清掃セラピーを行いました。午前10時にクリニック前に集合。天候の影響もあって、今回の参加者は私を含めて3名と少人数でしたが、その分、密度の濃い時間になりました。強い風の中、前回とは違うコースを歩きながらゴミ拾いを開始。BB...
人間・社会

ネコに比べて、人間は本当に賢いのか

ある日の診察で、患者さんからこんな質問を受けました。「先生、そんなに気まぐれに生きていて良いのでしょうか?」その方は、周囲に合わせられない自分を責め、「一貫性がない」「人として未熟なのではないか」と感じていました。私は少し間をおいて、こう聞...
森田療法

考えすぎた心を、現実に戻す

診察の場で、「私はうつだと思います」「家族から、不安障害じゃないかと言われました」このようにお話しされる方は少なくありません。うつ、不安、トラウマ、ストレス、パニック、発達障害、愛着障害――。これらの言葉は、今では日常会話の中でも当たり前に...
仁泉堂医院

安定を維持しようとすることは、自分の中に“鉄格子”をつくることかもしれない

ある患者さんが、別の医療関係者から「仁泉堂の医者は思い切ったことをしましたね」と言われたと話してくれました。指しているのは、仁泉堂が薬物療法を一切行わないという方針です。その時、私の口から自然に出たのが、「安定を維持しようとすることは、自分...
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