私はこれまで、群馬県外・県内のさまざまなトレイルランニングレースに出てきました。
県内のレースでは、よく「試走」といって、本番前にコースを実際に走って体験しておくようにしています。
最近になって、この「試走をする・しない」の違いを、自分の言葉で説明できるようになってきました。
試走をしていないコースでは、私は前半かなり慎重になります。
ペースを抑え、無理をしないように走るのです。そうすると、大きな失敗はなく、無難にレースを終えることができます。
しかし終盤になると、「まだ余力があった」と気づくことが少なくありません。
結局、力を出しきれないままゴールしてしまうのです。
一方で、試走をしているコースでは様子が違います。
序盤こそある程度ペースを意識しますが、中盤以降は細かい調整をしなくても、体に任せて走ることができます。
結果として、「ちょうどよいペース」で走り切れている感覚があります。
おそらく、一度でも体験しておくことで、意識でははっきり覚えていなくても、体のほうが感覚をつかんでいるのでしょう。
このことは、日常生活や仕事にも通じるように思います。
「やりすぎてもいけないし、やらなすぎてもいけない」
そうした場面で、私たちはつい頭で調整しようとします。
しかし、意識的にうまくやろうとすると、
慎重になりすぎたり、逆に無理をしすぎたりして、なかなか“ちょうどよい加減”にはなりません。
森田療法でも、「自然に任せて行動する」という考え方があります。
これは決して何もしないという意味ではなく、実際にやってみる中で体に覚えさせていくという姿勢でもあります。
最初からうまくやろうとするのではなく、
まずは一度やってみる。
その体験があると、次からは過度に考えなくても、体が自然と動き方を教えてくれるようになります。
頭で考えて「ちょうどよくやろう」とするよりも、
小さくてもいいので、一度やってみる。
その積み重ねが、結果として自分なりの「ちょうどよさ」を育てていくのだと思います。

コメント