私たちの身体は、毎日少しずつ壊れ、そして新しく作り直されています。この営みは「新陳代謝」と呼ばれ、筋肉や骨、皮膚、血液などの組織では、細胞レベルでの世代交代も行われています。
けれども、すべての組織で細胞が入れ替わるわけではありません。たとえば神経細胞などは一生涯同じものが働き続けますが、それでも細胞の中で使われるタンパク質や脂質などの分子は、常に分解と合成を繰り返しているのです。
身体は静かに、しかし着実に、自分自身を保ち続けています。
適度な負荷が、回復を促す
トレイルランニングやラグビーをしていると、筋肉に小さな傷がついたり、エネルギーを使い果たしたりします。でも、しっかり栄養をとって上手に休めば、身体はそのダメージを修復し、以前よりも少し強くなっていきます。
これが「壊して、つくる」の自然な流れ。私たちが意識してできるのは、
- 適度な負荷をかけること(壊す)
- 栄養を与えて、上手に休むこと(つくる材料と時間を身体に提供すること)
この二つだけです。
そして疲れているときほど、軽い運動が回復を早めることがあります。山を走った翌日にウォーキングやストレッチをすると、血流が良くなり、修復が進むのを実感します。じっとしているよりも、自然のリズムに沿って動くことが、回復への近道なのです。
仁泉堂の「自然適応療法」について
当院では、こうした自然の回復力や身体のしくみを尊重し、無理に治すのではなく、「本来の調和を取り戻す」ことを大切にしています。
「自然適応療法」は、山や森、そして季節の流れの中で心身のリズムを整える実践です。クリニック内では、自然音を取り入れた空間づくりや、軽い運動・呼吸法などを通じて、診察室にいながら自然のリズムに同調できる工夫をしています。
自然の力に身を委ね、身体が持っている「つくる力」を引き出す──それが、仁泉堂の自然適応療法です。
コメント