森田療法

「熟睡信仰」にとらわれない

「熟睡できなかった次の日は眠い、熟睡できればスッキリ起きられる」そう信じている人は多いように思います。けれど私自身は、熟睡できた翌日の午前中ほど、むしろ眠気を感じることがよくあります。それでも、仕事の能率が落ちるわけではありません。体はまだ...
森田療法

流れに導かれて動くとき

先日、森田療法学会に参加してきました。発表のことはひとまず置いておいて、印象に残ったのは、学会懇親会で偶然隣に座った先生との出会いでした。話題は「内発的な行動は、どのように生じるのか?」というテーマ。お互いの臨床経験をもとに議論が盛り上がり...
自然適応療法

追い込むことと休むこと、その狭間で育つもの

ランニングの世界には「ポイント練習」と呼ばれるものがあります。心肺機能やスピード持久力を高めるための強度の高い練習で、コーチからはよく「追い込んでください」と声がかかります。私自身、学生時代までは球技ばかりで、走る練習は専ら基礎体力づくり程...
仁泉堂医院

他人のために尽くすときに忘れてはいけないこと

「子どものために」「家族のために」「困っている人のために」――そう思うと、人は驚くほどの力を発揮します。子どもの弁当を作るために早起きしたり、職場で身を粉にして働いたり、そうした姿は一見美談として語られます。けれども、その一方で、自分の食事...
仁泉堂医院

助言をどう受け取るか

診療の場で、行動の改善点をお伝えするとき、しばしば次のような反応があります。「それはできません」と、行動を回避する「自分は悪くない」と、正当性を主張する運動や栄養の指導をしても、一度試しただけで「効果がなかった」と結論づける指示通りにやった...
人間・社会

山と人間関係 ― 立ちはだかるものをどう捉えるか

トレイルランニングをしていると、思いがけない障害に出会います。急な登りに息が上がり、倒木の根っこに足を取られ、岩に爪先をぶつけ、転んでしまうこともある。自然の中では、順調に進ませてもらえることの方が少ないのです。では、人生で出会う人々はどう...
日常

上州武尊山スカイビュートレイル記録③ ~人は自然の脅威に立ち向かうために手を組む ~

夜の山道に入ると、雰囲気は一変しました。17時を過ぎると辺りは急に暗くなり、靄が濃く立ちこめてきます。ヘッドライトを強くすると光が乱反射して真っ白になり、視界が奪われました。立ち止まって耳を澄ませても、風の音と自分の呼吸しか聞こえません。正...
日常

上州武尊山スカイビュートレイル記録② ~ 避けようとする一歩が、危うさを呼ぶ ~

レース中、ぬかるみを避けようとして崖側に足を出した瞬間、滑って落ちそうになりました。なんとか踏みとどまりましたが、あの一歩は危険そのものでした。靴が濡れるのが嫌で避けたのですが、結果的にそちらの方が命取りになりかねませんでした。結局、靴が泥...
日常

上州武尊山スカイビュートレイル記録① ~ 長い道のりも、一歩一歩の積み重ね ~

上州武尊山スカイビュートレイル80Kを完走しました。80kmのトレイルレースを走ると、歩数にするとおよそ10万歩になります。数字で見ると気が遠くなりますが、結局は一歩ずつ進むしかありません。途中にはきつい登りや、転倒や捻挫といったトラブルも...
仁泉堂医院

都合の良い情報だけを信じていませんか?

診察をしていると、患者さんがインターネットで得た情報を持って来られる場面によく出会います。今は、賛否両論や相反する研究報告に誰でもアクセスできる時代です。それ自体はとても良いことなのですが、注意が必要だと感じることもあります。というのも、人...
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