森田療法

我選ぶ、ゆえに我あり──「私」を取り戻す選択の力

哲学者デカルトは、「我思う、ゆえに我あり(Cogito ergo sum)」という言葉を残しました。「考えている私の存在は否定し得ない」――思考によって自我を証明するこの言葉は、とても有名です。ですが私は、森田療法を土台としながら自然適応療...
自然適応療法

自分の暮らしを整える力──薬に頼る前にできること

眠れない、体が重い、なかなか痩せない――こうした不調を感じるとき、薬での解決を考える方も多いかもしれません。けれど、ちょっと立ち止まって、自分の暮らしを見つめ直してみることで、体は自然に整っていくこともあります。不調は「暮らしの声」私たちの...
森田療法

「生き方」を見つめ直す勇気 〜心の回復のために〜

精神科を訪れる方々と日々向き合っていると、「今のままの生き方を変えたくない」という強い気持ちに触れることがあります。これは一見すると「頑固さ」とも感じられるのですが、よくよく話を聞いてみると、それまでの人生で培ってきた信念や価値観に深く根ざ...
人間・社会

本当に助けてる?支援の名のもとに奪っているもの

「この子のために」「生徒のために」「患者さんのために」――そう思って関わった言葉や行動が、実はその人の自然な成長や回復の力を奪ってしまっていることがあるとしたら、どう感じるでしょうか。親、教師、医師など、人を支える立場にある私たちは、良かれ...
人間・社会

制度が感謝を遠ざけるとき

私たちの暮らしは、さまざまな「制度」によって成り立っています。信号機があって交通の流れが整い、曜日ごとにゴミが決まった時間に回収され、水道や電気が当たり前のように使える。こうした仕組みは、現代社会の恩恵そのものです。けれども、時に疑問に思う...
精神医学・精神医療

「ストレス」とは本当は何か?――言葉を変えると、心が整理される

最近は、「ストレス」という言葉が日常的に使われるようになりました。診察室でも、患者さんからこんな言葉をよく耳にします。「上司の態度がストレスで…」「あの出来事が本当にストレスでした…」一見、よくある表現のように思えるかもしれませんが、この「...
日常

鉢植えのアジサイと庭のアジサイ――回復のヒント

連休が明けてふと鉢植えのアジサイを見ると、花や葉がしおれていました。どうやら水やりを忘れてしまったようで、負担をかけてしまったようです。慌てて水をあげると、少しずつ元気を取り戻してくれましたが、それでも季節が進めばやがて花は朽ちていくでしょ...
精神医学・精神医療

暗闇だから見えた、一歩の大切さ ― トレイルと心の共通点

先が見えないことは、不安かもしれない。でも、見えないからこそ、心が折れずに進めることがある――。真っ暗な山道を走り続けたレースの中で、私は大切なことに気づきました。先月、私はトレイルランニングレース「Mt.FUJI 100 KAI 70K」...
仁泉堂医院

“このままでいいのか?”が、はじまりだった

人は誰しも、自分なりの「正しさ」を持っているものです。そして、その正しさがまわりの人たちと一致しているかどうか、つまり「多数派かどうか」を気にしてしまうことも少なくありません。けれど、本当に大切なのは、今この現実に向き合いながら、自分の中の...
自然適応療法

学び方はひとつじゃない──自然な選択が子どもを育てる

あるお子さんが、集団での学習が難しく、特別支援学級を利用していました。ところが、その支援学級の人数が15人を超えると、そこにも通えなくなってしまいました。支援学級は本来、一人ひとりに合った学びを保障する場所のはずです。しかし現実には、別の集...
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