精神医学・精神医療

人間・社会

人間の矛盾をそのままに見る

診療をしていると、日々あらためて感じることがあります。それは、「価値判断を加えず、ただ事実そのものを“こんなものだ”と見ることの大切さ」です。私たちはつい、物事に「良い」「悪い」というラベルを貼ってしまいます。しかし、よく見れば、良いも悪い...
森田療法

「熟睡信仰」にとらわれない

「熟睡できなかった次の日は眠い、熟睡できればスッキリ起きられる」そう信じている人は多いように思います。けれど私自身は、熟睡できた翌日の午前中ほど、むしろ眠気を感じることがよくあります。それでも、仕事の能率が落ちるわけではありません。体はまだ...
仁泉堂医院

都合の良い情報だけを信じていませんか?

診察をしていると、患者さんがインターネットで得た情報を持って来られる場面によく出会います。今は、賛否両論や相反する研究報告に誰でもアクセスできる時代です。それ自体はとても良いことなのですが、注意が必要だと感じることもあります。というのも、人...
精神医学・精神医療

向精神薬の使用について考える

抗うつ薬が、適切に診断された「うつ病」の治療に有効であることは、私も20年以上の臨床経験を通じて実感してきました。適切に用いられた薬によって救われた方は少なくありません。しかし近年では、「気分が落ちる」「やる気が出ない」といった訴えに対し、...
精神医学・精神医療

「気分が上がる・下がる」という表現について

最近よく耳にする言葉に「気分が上がる」「気分が下がる」というものがあります。友人との会話やSNSではよく使われていますが、精神科の診療場面ではあまり適切ではないと私は感じています。「上がる」「下がる」という表現には、どこか自分の外から気分を...
精神医学・精神医療

統計よりも「誰がやるか」

たとえば、自分が外科手術を受けることになったとします。手術にはA法とB法があり、統計的にはA法の方が成功率が高い──そんな説明を受けたとき、あなたならどう考えるでしょうか。確かに、明らかに成功率の低い手術法は避けたいものです。でも、実際に手...
精神医学・精神医療

「心を病む」とは本当はどういうことか?

「心を病む」という言葉を、私たちは日常の中でよく耳にします。でも、医師として私は、この表現には少し立ち止まって考えるべき点があると思っています。医学では「病む」とは、身体のどこかの臓器に異常がある状態を指します。精神科でも、統合失調症や双極...
精神医学・精神医療

「ストレス」とは本当は何か?――言葉を変えると、心が整理される

最近は、「ストレス」という言葉が日常的に使われるようになりました。診察室でも、患者さんからこんな言葉をよく耳にします。「上司の態度がストレスで…」「あの出来事が本当にストレスでした…」一見、よくある表現のように思えるかもしれませんが、この「...
精神医学・精神医療

暗闇だから見えた、一歩の大切さ ― トレイルと心の共通点

先が見えないことは、不安かもしれない。でも、見えないからこそ、心が折れずに進めることがある――。真っ暗な山道を走り続けたレースの中で、私は大切なことに気づきました。先月、私はトレイルランニングレース「Mt.FUJI 100 KAI 70K」...
コミュニケーション

「この先生、合わないかも」と思ったときこそチャンス?

クリニックでの診察中、「前の先生は私には合わなかったんです」とお話しされる患者さんに出会うことは、決して珍しくありません。確かに、人と人との間には「相性」というものがあり、会話がすれ違ったままでは、なかなか信頼関係を築けないこともあります。...
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