精神医学・精神医療

仁泉堂医院

野外災害救急法を学んで気づいた、心のケアに必要な“時間”の感覚

先週、クリニックを数日お休みして、ウィルダネスメディカルアソシエイツ(WMA)が主催する野外災害救急法を学んできました。山岳地帯や災害時など、都市型の救急システムにすぐアクセスできない状況で、どう命をつなぐか——そのための理論と実践です。受...
人間・社会

「社会に適応できない」と言われる人たちへ ― 「できない」ではなく「しない」という見方

前回の記事では、「できるけど、しない」という生き方の大切さについて考えました。今回は、その考えを「社会に適応できない」と言われる人たちの問題に当ててみたいと思います。「適応できない」とは、誰の視点か発達症のある方や、いわゆる「社会に馴染めな...
仁泉堂医院

薬を「なるべく使わない治療」と「全く使わない治療」の違い

薬はなるべく使いたくない——そう考える患者さんや医師は少なくありません。実際、薬の使用を最小限にとどめ、自然な回復力を生かしたいという願いは、誰にとっても共感できるものです。しかし、治療が行き詰まったとき、医師も患者も、つい薬に意識が向いて...
人間・社会

人間の矛盾をそのままに見る

診療をしていると、日々あらためて感じることがあります。それは、「価値判断を加えず、ただ事実そのものを“こんなものだ”と見ることの大切さ」です。私たちはつい、物事に「良い」「悪い」というラベルを貼ってしまいます。しかし、よく見れば、良いも悪い...
森田療法

「熟睡信仰」にとらわれない

「熟睡できなかった次の日は眠い、熟睡できればスッキリ起きられる」そう信じている人は多いように思います。けれど私自身は、熟睡できた翌日の午前中ほど、むしろ眠気を感じることがよくあります。それでも、仕事の能率が落ちるわけではありません。体はまだ...
仁泉堂医院

都合の良い情報だけを信じていませんか?

診察をしていると、患者さんがインターネットで得た情報を持って来られる場面によく出会います。今は、賛否両論や相反する研究報告に誰でもアクセスできる時代です。それ自体はとても良いことなのですが、注意が必要だと感じることもあります。というのも、人...
精神医学・精神医療

向精神薬の使用について考える

抗うつ薬が、適切に診断された「うつ病」の治療に有効であることは、私も20年以上の臨床経験を通じて実感してきました。適切に用いられた薬によって救われた方は少なくありません。しかし近年では、「気分が落ちる」「やる気が出ない」といった訴えに対し、...
精神医学・精神医療

「気分が上がる・下がる」という表現について

最近よく耳にする言葉に「気分が上がる」「気分が下がる」というものがあります。友人との会話やSNSではよく使われていますが、精神科の診療場面ではあまり適切ではないと私は感じています。「上がる」「下がる」という表現には、どこか自分の外から気分を...
精神医学・精神医療

統計よりも「誰がやるか」

たとえば、自分が外科手術を受けることになったとします。手術にはA法とB法があり、統計的にはA法の方が成功率が高い──そんな説明を受けたとき、あなたならどう考えるでしょうか。確かに、明らかに成功率の低い手術法は避けたいものです。でも、実際に手...
精神医学・精神医療

「心を病む」とは本当はどういうことか?

「心を病む」という言葉を、私たちは日常の中でよく耳にします。でも、医師として私は、この表現には少し立ち止まって考えるべき点があると思っています。医学では「病む」とは、身体のどこかの臓器に異常がある状態を指します。精神科でも、統合失調症や双極...
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