先日、不注意が原因で忘れ物や失くし物が多い方とお話しする機会がありました。その方は、職場ではよく失くし物をしてしまったり、作業手順を間違えて機械を壊してしまうこともあるそうです。でも、先日車で旅行に出かけた際には、驚くほどスムーズに旅を楽しめたと教えてくれました。トラブルが一切なく、気持ちよく過ごせたと。
「どうして旅行ではうまくいったのだろう?」と一緒に考えてみました。その方が気づいたのは、「旅行は時間に追われることがなかったから」だという点です。対照的に、職場では次々と指示が飛び交い、マルチタスクが求められる状況が多いとのことでした。これが問題の原因ではないか、という結論に至りました。
ここで私の中に浮かんだのは、小学校の理科の時間に行った「乾電池と豆電球の実験」です。覚えていますか?直列つなぎと並列つなぎ、どちらがどんな風に電球を光らせるか考えたあの実験です。
直列つなぎでは、豆電球は暗く光りますが、乾電池は長持ちします。一方、並列つなぎでは全ての豆電球が明るく光りますが、乾電池はすぐに消耗してしまいます。これをマルチタスクに当てはめると、並列つなぎはまさに同時に多くのことを処理する状態。エネルギーを大量に使い、疲れや不注意の原因になることがあります。
心身を守るためには、過剰な並列つなぎ、つまり無理なマルチタスクを避けるのが得策です。どれか一つの「電球」を消して、省エネモードにする勇気を持つことが、私たちのエネルギーを長持ちさせる秘訣なのかもしれません。
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