100km走って見えた「思い込みの輪郭」

日常

「自己紹介してください」
そう求められて、言葉に詰まる瞬間があります。
履歴書の長所や短所の欄で手が止まるときもある。
自分を知っているつもりでいて、その実、確かな手応えはあまりなかったりします。

頭の中の「自分」と、実際の「自分」

昨年から、トレイルランニングやウルトラマラソンに参加するようになりました。
100kmを走る、という経験は、それまでの私の常識からは遠いものでした。
けれど、なぜかやってみようと思い、実際に足を運びました。

走っている最中、何度もやめたくなったし、何度も迷いました。
けれど、終わったあとに残ったのは、「自分ってこういう面もあるんだな」という、意外な感触でした。

頭の中だけで考えていた「自分らしさ」や「限界」は、
ただの予測にすぎなかったことが、ようやく腑に落ちたのです。

行動してはじめて見えてくるものがある

頭の中でシミュレーションをして、「やめておこう」と結論を出してしまう。
そういうこと、案外多いのではないでしょうか。
そして、それ自体はごく自然なことでもあります。

けれど、それでもなお──
もし「気になる」何かがあるなら、
実際に試してみてほしい、と思います。

やってみなければわからないことのほうが、案外多い。
試してみたことでしか得られない「自分に対する実感」が、
そこには確かにあるからです。

自分を語る言葉は、体験から生まれる

「自分を知る」ということは、
あらかじめ整った答えを持っていることではない。
むしろ、行動する中で、少しずつ見えてくる何かを
静かに拾い集めていくことなのかもしれません。

自分の中にある思い込みや決めつけの外側に、
まだ知らない自分がいる──
そう思えた経験は、今も静かに背中を押してくれています。

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