ある朝、“BELOVED”を聴いて涙が出た理由

文学・芸術

火曜の朝、出勤前に、私はある一小節を口ずさんでいました。

曲名も、ミュージシャンもわからない。ただ、そのフレーズだけが浮かんできたのです。

気になって歌詞を検索すると、GLAYの「BELOVED」でした。

出勤前のわずかな時間、YouTubeで全コーラスを聴いてみました。

「やがて来る それぞれの交差点を

迷いの中 立ち止まるけど

それでも人はまた歩き出す

ああ夢から覚めた

これからも あなたを愛してる」

この部分に差し掛かったとき、突然、涙が溢れてきました。

理由はわかりません。ただ、その後も何度か繰り返し聴きました。

後で知ったのですが、この曲は、作詞作曲をしたTAKUROが、

バンドの仲間への思いを感じながら書いたものだそうです。

けれど、私の中では、この曲の「あなた」は、

特定の誰かではなく、「人類」そのもののように感じられました。

精神科医として、多くの人と出会ってきました。

人間は、いつも親切で、思いやりに満ちているわけではありません。

醜さが顔を出すこともあり、身勝手さに戸惑うこともあります。

そんな場面に出会うたび、少し距離を取りたくなる自分がいました。

「夢から覚めた」という言葉は、

人間を過度に期待しなくなった状態を指しているように思えました。

人間の現実を知ったあとでも、

完全には消えない愛しさがある。

BELOVEDは、そのことを、

教えてくれたように思います。

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