精進料理は良い食べ物でしょうか。
コーラは悪い飲み物でしょうか。
こうした問いかけには、つい「良い」「悪い」で答えを決めたくなります。
けれど私は、どちらも良くも悪くもなく、場面や頻度によって意味が変わるものだと思っています。
世の中の多くのことは、本来そのようなものです。
それでも私たちは、つい「どちらか」に決めてしまいたくなる。決めてしまった方が、物事が単純になって楽だからでしょう。
ただし、一度「これは良いものだ」と決めつけると、しばしば過剰になります。
“過ぎたるは及ばざるがごとし” という言葉の通り、良いと思って続けたことが、行き過ぎて自分を苦しくしてしまうこともあります。
好き嫌いを手がかりにする
では、どうすれば心が楽になるのか。
私は「良い/悪い」を判断しようとする前に、
素直に「自分はこれを好きか/嫌いか」を感じてみることが大切だと思っています。
たとえば、電車の中で大声で話している集団がいたとします。
その行動が良いか悪いかを決めようとすると、どうしても自分の正しさを守ろうとして、怒りや不快感が強くなりがちです。
でも、「自分はこの状況を好むかどうか」に意識を向けてみる。
もし好まなければ、次の行動を選べば良いだけです。
- 別の車両に移る
- 一度ホームに降りて、次の電車を待つ
- 急いでいるなら、「好まないけれど、今回は到着を優先する」と決める
こうした選択は、相手を裁くことではなく、
自分の心の状態に合わせて、自分の行動を整えることに近いものです。
自分にも、相手にも「好き嫌い」がある
そしてもう一つ忘れたくないのは、
自分と同じように、周りの人たちもそれぞれの好き嫌いを持っているということです。
私たちは「良い・悪い」を決めようとすると、他人にもそれを押しつけてしまいがちですが、
「それぞれに好き嫌いがある」と受け止められると、ずいぶん心が軽くなります。
おわりに
良いか悪いかの二択に追い込まれるより、
「自分がどう感じているのか」に気づくこと。
その小さな切り替えが、日々の生活をぐっと楽にしてくれます。

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