「あるがままを生きる」とは?──mindではなく、soulに近づく生き方

森田療法

「自分らしく生きたい」「もっと自然に生きたい」——そんな思いを抱く人は多いと思います。

けれど、それを実現するのは簡単ではありません。なぜなら、私たちは日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに「こうあるべきだ」「こうすれば人に認められる」といった思考に縛られているからです。

「mind」と「soul」——ふたつの「心」

英語には「心」を表す言葉がいくつかありますが、ここでは mind(思考)と soul(魂)という二つの言葉に注目してみたいと思います。

  • mind は、頭で考える機能。過去の経験や社会の常識にもとづいて、「判断」「計画」「比較」を行うところです。
  • 一方、soul は、もっと深いところにある「本質的な自分」。言葉にはならない衝動や感覚、からだの奥からふと湧きあがるような、静かな願いが宿っています。

あるがままを生きるとは、思考から離れ、行動すること

「あるがままを生きる」とは、好きなように生きることではありません。

それは、頭の中のmindの声を一度脇に置き、体を通じてsoulの声に近づいていく生き方です。

本当の意味での「あるがまま」は、いくら頭で考えてもわかりません。問い直し続けるだけでは、mindの世界にとどまりつづけることになります。

感じること、動くこと、体を使って一歩を踏み出すこと。

その過程で、自分でも思ってもみなかった「自分」が現れてきます。

たとえば、自然の中を歩いているとき、夢中で何かに取り組んでいるとき、ふと「これが自分だ」と感じる瞬間があるかもしれません。そういう体験の中に、soulの手がかりがあります。

「あるがままを生きる」ためにできること

  • 思考を止めようとしないこと(止めようとするのもmindの働きです)
  • 正解を探さず、とりあえず小さく動いてみること
  • 自分の体の感覚に意識を向けること(呼吸、歩くリズム、疲労感など)
  • 自然のなかで過ごす時間を増やすこと

soulに近づくには、考えることではなく、感じること、そして動くことが大切です。

おわりに

「あるがままを生きる」とは、自分の深いところにある静かな声に気づき、それを行動で表現していく生き方です。

社会の枠組みや他人の評価に流されるのではなく、体を通じて、自分のsoulとつながること。

それは簡単なことではないかもしれません。でも、ほんの少しでも、「これは自分だ」と感じる瞬間があれば、その瞬間こそが、あるがままを生きている証なのだと思います。

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