学校医として相談を受ける中で、私は一つのことを強く感じています。
子どもの行動を語る前に、大人自身の心の有り様が問われている。
自傷、暴れる、登校を拒む——子どもの行動の意味を急いで解こうとする前に、まず大人の心にどんな感情が生じたのかを確かめる必要があります。不安、怒り、嫌悪、距離を置きたい気持ち……そこには、その大人自身の心の偏りや特徴が現れています。
大切なのは、そうした感情を否定しないことです。
もし「関わりたくない」と感じたなら、まずその気持ちを認めた上で、「それでも関わるのか」を自分の意志で選び直す。仕事だからでも、逃げたくないからでも構いません。自分で選んだと実感できたとき、大人は落ち着いて子どもと向き合えるようになります。
不思議なことに、最初は避けたいと思った関係の方が、大人にとって大きな学びになることがあります。なぜ避けたかったのかを振り返ることで、自分自身の見えていなかった側面に気づくこともあります。
子どもの問題が持ち込まれた時、実は問題の中心は子どもではありません。
そこに関わる大人の心が、まず試されているのです。

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