冬になると、診療が始まる前に、ふと不安になることがあります。
「今日一日、診療をやり切れるだろうか」——そんな、根拠のない心許なさです。
特に何か気掛かりなことがあるわけでもない。
けれど、夏のあいだは意識せずにスタートを切れていたのに、
この時期になると、少し意識的に自分を励まし、元気を出して患者さんを迎えようとしてしまうのです。
不思議なもので、ひとり目の患者さんとの対話が始まると、
いつのまにか、自然な流れに乗っている。
身体も心も、ちゃんと診療のリズムを覚えていて、
気づけば、普段と変わらぬ時間が流れています。
きっと本当は、あえて元気に迎え入れようとする必要などないのでしょう。
そのままの自分でいれば、自然に流れが始まる。
それでもつい、力を入れてしまうのです。
季節の変わり目には、そんな小さな“踏ん張り”が、
自分の中にあることを感じます。

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