私たちは日常の中で、家族や友人、さらにはニュースやSNSで話題になる著名人の出来事にまで関心を寄せることがあります。それ自体は自然なことですが、気づかないうちに「自分の課題」や「自分の不安」から目をそらし、他人の問題ばかりに意識を向けてしまうこともあります。
アドラーが説いた「課題の分離」は、自分の課題は自分が担い、他人の課題は他人が担う、というシンプルで力強い考え方です。また森田正馬は、不安を取り除こうとするのではなく、不安をそのままに抱えながら課題に取り組むことを大切にしました。
つまり、自分の課題や不安を誰かに押しつけたり、外に投げたりせず、自分で引き受けていくこと。それが、他人の問題に過剰に首を突っ込まずに済む自然な姿勢につながります。そして、自分の課題を自分で引き受けるからこそ、少しずつ自分らしい歩みが積み重なっていくのだと思います。
私自身も、不安を感じながらもそれを抱え、自らの課題に向き合うことを実践しています。不安を抱えつつ課題に取り組むとき、人はたしかに苦しさを感じます。しかしその苦しさは、自分の足で前に進んでいる証拠であり、人生を豊かにする力の源にもなると感じています。
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