最近、人と話していると、「ストレスが多くて疲れる」「こんなにうまくいかないなんて…」といった言葉をよく耳にします。
そんなとき、「そもそも、人生には障害物がないのが普通」だと思っている方が意外と多いのかもしれないと感じることがあります。
けれど、実際の暮らしや人との関係、仕事や家族の中には、予想外のことやうまくいかない場面がたくさんあります。
むしろ、そうした障害物があることのほうが自然であり、それが人生の“デフォルト”なのではないかと思うのです。
この感覚は、ランニングを通してもよく感じます。
「これから走りに行こう」と言われたとき、陸上トラックや舗装された歩道をイメージする人が多いかもしれません。
一方、私を含めトレイルランナーたちは、山道や森の中を走ることを楽しんでいます。
そこには石が転がり、木の根が張り出し、ときにはぬかるんだ道もあります。
でも、それらは避けたいものではなく、自然の一部として受け入れているものです。
障害物があるからこそ、自分の足でどう進むかを考え、身体を使って乗り越える面白さがある。
そうした道を選ぶこと自体が、トレイルランの魅力でもあります。
人生もきっと同じです。
何かにつまずいたとき、「どうしてこんなことが起こるんだ」と考えるよりも、「こういうものだ」と受けとめる姿勢を持つだけで、心の中に少し余裕が生まれることがあります。
人生の障害物は、排除すべき敵ではなく、道の途中にある自然な起伏のようなもの。
そんなふうにとらえてみると、毎日の風景も少しずつ変わって見えてくるかもしれません。
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