今日は、仁泉堂医院の開業時に私自身がデザインしたマークについて、お話ししようと思います。このマークは診察券や私の名刺にも使われており、ブログのサイドバーのプロフィール欄にも白地に緑色で記されています。
このデザインは、「自分の尾に噛み付いている蛇」と「その蛇にクチバシを向ける雉(キジ)」を表しています。葛飾北斎の絵『雉と蛇』や、ウロボロス(自らの尾を飲み込む蛇)という神話的なモチーフから着想を得たものです。
このマークには、世の中や心の動きが「円環的」であるという考えを象徴的に込めました。たとえば、家族療法やブリーフセラピーでは、「問題」や「意識」は一部分を切り取った解釈(パンクチュエーション)によって生じるものとされています。
問題や悩みにとらわれているとき、このマークの「雉と蛇」を思い浮かべてみてください。あるいは、北斎の『雉と蛇』を眺めてみてもいいかもしれません。この雉と蛇の関係は、果たしてどう展開するでしょうか?答えは一つではなく、無数の可能性があるでしょう。そして、どんな関係であっても、自然な形で収束するものです。
このデザインは単なるシンボルではありません。私自身の生き方や診療のあり方を表すものでもあります。この7年間で、雉や蛇が象徴する意味や、それぞれの関係性の捉え方は私の中で変化してきました。しかし、変わらないのは、このマークが私の活動や価値観を静かに支えてくれているということです。
新しい一年もまた、多くの変化や気づきがあるでしょう。このマークが、悩みを抱える皆さんにとっても、何かを考えるきっかけや支えとなれば幸いです。
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