パラドックス

森田療法

パラドックスの力 ― 徹底の果てに見えるもの

世の中には、一見すると矛盾しているように見えて、実は深い真理を含んでいる現象があります。いわゆる「パラドックス(逆説)」です。入院森田療法の「絶対臥褥」も、その代表例でしょう。患者は動くことを禁じられ、ただ横になって過ごします。一見、非生産...
コミュニケーション

支えるつもりが追い詰めてしまうとき

「そんなに遅くまで寝ていて、遅刻しないの?」「宿題は終わったの?」「食べ過ぎじゃない?」「お酒を飲みすぎじゃない?」「働きすぎじゃない?」——こうした声かけを、家族や友人にすることは誰にでもあると思います。大切な人を心配する気持ちから出た言...
森田療法

それでも、生きる理由

人間には不思議なところがあります。誰もが「自分はいずれ死ぬ」ということを知っているのに、それでも毎日を生き続けています。自分がいなくなっても、この世界は何事もなかったかのように続いていく。自分の人生も、いつか終わる。そう頭ではわかっているの...
ダイエット

「壊して、つくる」──身体は分子レベルで日々、生まれ変わっている

私たちの身体は、毎日少しずつ壊れ、そして新しく作り直されています。この営みは「新陳代謝」と呼ばれ、筋肉や骨、皮膚、血液などの組織では、細胞レベルでの世代交代も行われています。けれども、すべての組織で細胞が入れ替わるわけではありません。たとえ...
仁泉堂医院

“このままでいいのか?”が、はじまりだった

人は誰しも、自分なりの「正しさ」を持っているものです。そして、その正しさがまわりの人たちと一致しているかどうか、つまり「多数派かどうか」を気にしてしまうことも少なくありません。けれど、本当に大切なのは、今この現実に向き合いながら、自分の中の...
森田療法

森田療法の「あるがまま」を探求する:でも知的理解より体得が大事です

森田療法で用いられる「あるがまま」という言葉は、一見シンプルで明快に思えるかもしれません。しかし、実際には二つの異なる意味を内包しており、これがこの概念を深く、また捉えにくいものにしています。その二つの意味を理解することは、「あるがまま」が...
人間・社会

制度と個別性のジレンマを考える

教育や福祉をはじめとする制度は、社会の安定と円滑な運営を支える仕組みとして重要な役割を果たしています。しかし、その一方で、制度が存在する以上、一人ひとりの個別性が軽視されてしまうことは避けられません。制度とは「皆が従う」ことを前提としている...
仁泉堂医院

「眠れない」を症状と捉えることの矛盾について

森田正馬は「思想の矛盾」について次のように述べています。それは「こうありたい」「こうあらねばならない」という思考と、現実の結果が反対になり、矛盾することを指します。この考え方は、私たちがしばしば混同しやすい概念――主観と客観、感情と知識、体...
文学・芸術

「犬も歩けば棒にあたる」の新解釈

2025年、新たな一年が始まりました。この節目に、「いろは」の「い」にちなむことわざ、「犬も歩けば棒にあたる」を改めて考えてみたいと思います。このことわざは、「江戸カルタ」の冒頭に登場するもので、次のような意味が挙げられます。① 出しゃばっ...
コミュニケーション

マリオで学ぶ「階層的な思考」のススメ

階層的な物事の捉え方を学ぶマリオの世界「キノコを採ると大きくなれる」というおなじみのゲーム、スーパーマリオ。その世界観を使って、物事を階層的に捉える方法を考えてみましょう。小さいマリオと「階層」のお話このゲームでは、マリオはキノコを採ると「...
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