人間・社会 学校教育について(1)「学校が楽しくない」子どもたちの家庭でのサポート方法 私は現在、前橋市の教育支援委員会の一員として、学校教育にまつわるさまざまな課題に触れる機会があります。正直なところ、「制度」そのものから少し距離を置きたいという気持ちもあるのですが、この役割は今のところ続けています。そんな立場だからこそ、不... 2024.11.22 人間・社会
仁泉堂医院 初診で生い立ちや生活背景をお聞きする理由 多くの精神科診療所やカウンセリングルームでは、初めての面接時に患者さんの生い立ちや生活背景を詳しく伺います。当院、仁泉堂医院でも同じようにしています。しかし、私は診療において「トラウマ」という概念を用いることは一切ありません。それでも、生い... 2024.11.20 仁泉堂医院
日常 将棋と実生活の違いから考える「一手」 先日、大学時代の同級生と10年ぶりに再会しました。学生時代、よく彼と将棋を指したことを懐かしく思い出しました。その話題の中で、「君は序盤は上手く指すのに、中盤でポカをしていたね」と言われ、当時の自分を振り返ることになりました。 私は、面白そ... 2024.11.18 日常
日常 身体と仲良くなるトレイルランニングの魅力 トレイルランニングは、私が愛してやまない山の中で行うマラソンのようなスポーツです。このブログが公開される頃、私はちょうどレースの真っ最中でしょう。 今回のコースは埼玉県の秩父・奥武蔵エリアを走る55kmの道程で、累積標高差は3000mに達し... 2024.11.16 日常
コミュニケーション 解決には時間と手間がかかるもの 私の診療では、人間関係の問題に対して安易な解決策を取ることは避けた方が良いと考えています。ここに示すのは、あくまで私自身の価値観と行動指針です。 安易な解決策には、相手に脅威を与えて行動を促す方法が含まれます。例えば、怒りや暴力で相手を従わ... 2024.11.15 コミュニケーション
人間・社会 自然のリズムと人間の周期感覚:なぜ1週間は「7日間」なのか? 私たちの生活は、太陽と月が生み出すリズムに大きく影響されています。1年は地球の公転周期に、1日は地球の自転周期に、そして1か月は月の満ち欠けの周期に、それぞれほぼ一致しています。この自然のサイクルに沿った時間の流れが、多くの生物にとって基本... 2024.11.14 人間・社会
人間・社会 価値観は押し付けない:修学旅行の思い出と今につながる教訓 中学の修学旅行の夜。同室の友人が荷物の片づけに手間取り、就寝時刻に間に合いそうにありませんでした。そこへ教諭がやってきて、「罰として部屋の前で正座させる」という話に。私はその光景に違和感を覚え、「善悪の価値判断」として理不尽だと感じました。... 2024.11.13 人間・社会
日常 生垣と自分の居場所 通勤途中、いつも生垣のある家が目に留まります。ベニカナメモチやツバキ、アラカシなど、生垣に使われる植物は、刈り込むほど勢いよく伸びてくる性質の木が多いようです。逆に、モミジのように自然な樹形を大切にし、あまり強く剪定しない方が良い木もありま... 2024.11.12 日常
日常 ラジオで始まる朝 私は朝、タイマーでラジオがつくようにセットし、その音で目を覚ますようにしています。ラジオで起きる良さは、必ずしも音がついた瞬間に起きなくても、スポーツニュースやラジオ体操などの放送内容で、耳から自然に時刻の流れを感じられるところです。 日に... 2024.11.11 日常
人間・社会 身近なことを見つめ直す 先日、ある患者さんと話していて、2010年代にスマートフォンが普及したことで、インターネット利用が幼い子供から高齢者まで広がったのではないか、という話題になりました。SNSの浸透も、スマートフォンなくしては成し得なかったでしょう。かつてはT... 2024.11.10 人間・社会日常
日常 将棋と実生活の違いから考える「一手」 先日、大学時代の同級生と10年ぶりに再会しました。学生時代、よく彼と将棋を指したことを懐かしく思い出しました。その話題の中で、「君は序盤は上手く指すのに、中盤でポカをしていたね」と言われ、当時の自分を振り返ることになりました。 私は、面白そ... 2024.11.18 日常
日常 身体と仲良くなるトレイルランニングの魅力 トレイルランニングは、私が愛してやまない山の中で行うマラソンのようなスポーツです。このブログが公開される頃、私はちょうどレースの真っ最中でしょう。 今回のコースは埼玉県の秩父・奥武蔵エリアを走る55kmの道程で、累積標高差は3000mに達し... 2024.11.16 日常
日常 生垣と自分の居場所 通勤途中、いつも生垣のある家が目に留まります。ベニカナメモチやツバキ、アラカシなど、生垣に使われる植物は、刈り込むほど勢いよく伸びてくる性質の木が多いようです。逆に、モミジのように自然な樹形を大切にし、あまり強く剪定しない方が良い木もありま... 2024.11.12 日常
日常 ラジオで始まる朝 私は朝、タイマーでラジオがつくようにセットし、その音で目を覚ますようにしています。ラジオで起きる良さは、必ずしも音がついた瞬間に起きなくても、スポーツニュースやラジオ体操などの放送内容で、耳から自然に時刻の流れを感じられるところです。 日に... 2024.11.11 日常
人間・社会 身近なことを見つめ直す 先日、ある患者さんと話していて、2010年代にスマートフォンが普及したことで、インターネット利用が幼い子供から高齢者まで広がったのではないか、という話題になりました。SNSの浸透も、スマートフォンなくしては成し得なかったでしょう。かつてはT... 2024.11.10 人間・社会日常
日常 水沢山での見通しと心の霧 先日、水沢山に登り、久しぶりに遠くまで見通せる景色を楽しむことができました。下の画像は、その一週間前に同じ見晴台から撮影したものです。あの日は霧が深く、いくら目を凝らしても見通しはききませんでした。 遠くまで見渡せる景色を期待するなら、天候... 2024.11.09 日常
日常 手間を楽しむコーヒータイム:走る日々が変えた飲み物の選択 以前はコカコーラゼロなどの炭酸飲料を好んで飲んでいた私ですが、運動が日常となり、トレイルランニングレースに定期的に参加するようになってからは、コーヒーを楽しむことが多くなりました。 コーヒーは焙煎された豆を購入し、キャンプ用のコーヒーミルで... 2024.11.08 日常
日常 書店で見つける、新しい本との縁 先日、「子どもと悪」(河合隼雄・著)を読みたくなり、書店を訪れました。通販での購入が多かった時期もありましたが、最近は運動もかねて、足を運んでいます。 この日は、最初に立ち寄った書店では見つからず、二軒目でようやく発見。岩波現代文庫のコーナ... 2024.11.05 日常
日常 目覚めのヨガのすすめ 私は出勤前の時間が確保できる時に、「目覚めのためのヨガ」を行う習慣を続けています。まず牛のポーズと猫のポーズで体をほぐし、そこから下向きの犬ポーズ、ローランジ、戦士のポーズ3、半月のポーズ、ねじった半月のポーズ、そして戦士のポーズ2へと続け... 2024.11.01 日常
日常 秋の山で感じる回復の兆し 足首の痛みがずいぶん良くなってきました。実は今週参加予定だったトレイルランニングのレースを見送り、少し残念な気持ちもありますが、長距離のランは脚にかなり負担がかかるもの。慎重に判断しました。 とはいえ、3週間後には今年最後のメインレースが控... 2024.10.27 日常
文学・芸術 南の島のハメハメハ大王に学ぶ「あるがまま」の生き方 ふとした時に「南の島のハメハメハ大王」の歌が頭に浮かび、口ずさんでしまいました。改めて歌詞(作詞・伊藤アキラ)を確認してみると、その豊かな表現に心が惹かれます。 南の島の大王はその名も偉大なハメハメハ ロマンティックな王様で 風のすべてが彼... 2024.11.02 文学・芸術森田療法
仁泉堂医院 “〜じゃないですかぁ”が妨げる「あるがまま」の生き方 診察の中で、患者さんから時々「〜じゃないですかぁ」という言葉を耳にすることがあります。例えば、「上司には逆らえないじゃないですかぁ」「子育ては大変じゃないですかぁ」「頭痛は辛いから、頭痛薬を飲むしかないじゃないですかぁ」といった表現です。 ... 2024.10.28 仁泉堂医院森田療法
仁泉堂医院 森田療法の伝統を受け継ぐ:患者同士の交流の場 森田正馬は、神経症を抱える患者さんたちと集まり、さまざまな問題について語り合う「形外会」を開催していました。この会の様子は、森田正馬全集にも記録されています。時にはピクニックに出かけ、自然の中でリラックスしながら話をすることもありました。 ... 2024.10.14 仁泉堂医院森田療法
人間・社会 排斥の時代に考える:森田療法が教える共存の大切さ 森田療法では、不快な感覚や思考を無理に排除せず、共存することを目指します。現代の医学では、不快な感覚を「症状」として捉え、それを取り除く方向に進みがちですが、森田療法の特徴は、不都合や不愉快な感情も排斥しない点にあります。 社会全体でも、排... 2024.10.11 人間・社会森田療法
森田療法 森田療法と縁(えん):流動的な役割を受け入れる視点 ある患者さんの息子さんが遠方で緊急手術を受けることになり、担当した外科医がたまたま群馬出身だったそうです。その医師は親切で丁寧に説明をしてくれたと伺い、私は「それは縁がありましたね」と返しました。 この会話をきっかけに、私の中で「縁」と「運... 2024.10.08 森田療法
仁泉堂医院 不快な相手との向き合い方:欲望を見つめ直して行動を変える 先日、ブログの読者でもある患者さんが、診察中にこんな話をしてくれました。「親の言動に毎回腹が立ってしまうんです。でも、先生のブログ記事(2024/9/30)にあった『不快な痛み』の話を思い出して、それと同じだと思いました」と。 家族、職場の... 2024.10.03 仁泉堂医院森田療法
仁泉堂医院 神経症治療に必要なもの:薬だけに頼らないアプローチ 統合失調症や双極性障害と、不安症などの神経症では、治療のアプローチが大きく異なります。統合失調症や双極性障害は、症状が繰り返し悪化することで、認知機能が低下するリスクがあります。そのため、できるだけ早く治療を開始し、薬で脳の状態を安定させる... 2024.10.02 仁泉堂医院森田療法精神医学・精神医療
森田療法 精神的なものだから、精神科に行きなさいってどういうこと? 3人の方が左腕の痛みを訴えています。 Aさん:「左腕に痛みがある」→ 検査で左腕に骨折が見つかりました。 Bさん:「左腕に痛みがある」→ 検査では異常が見つかりませんでした。 Cさん:「左腕に痛みがある」→ 検査で右腕に骨折が見つかりました... 2024.09.30 森田療法精神医学・精神医療
森田療法 森田先生、夢の価値を見直してみませんか? 森田正馬全集(第六巻)に記されている、森田正馬の夢に対する見解を紹介します。森田は、夢分析に対して独自の視点を持っていました。特に、フロイトの夢分析について「潜在意識」という概念や夢の象徴的な解釈に対し、否定的な見解を述べています。 森田の... 2024.09.29 森田療法
森田療法 変化を阻む「なぜ」の罠と森田療法のアプローチ 心理療法の基礎理論を扱った名著『変化の原理』で、ワツラウィックらは「人間の頭脳のような複雑な装置については、動作原理を問うよりも、それが何をする装置なのかを問う方が実用的である」と述べています。これは、パソコンやスマートフォンを例にすると分... 2024.09.27 森田療法
精神医学・精神医療 精神科診断の難しさ 精神科の診断は、身体疾患と違って症状に基づいて行われます。しかし、この「症状」というものは、一口に定義しきれない「裾野の長い山」のようなものです。どこまでを山と呼ぶのか、その範囲をどこで線引きするかによって、診断が異なってくるのです。 まず... 2024.10.31 精神医学・精神医療
人間・社会 制度に頼らない医療のために:医療者と患者、それぞれの責任 制度が複雑化する理由とは? 医療制度は次々に新しい規制が追加され、年々複雑化しています。制度が増える理由の一つには、「規制がないと過剰な行動が生じる」と考える人たちの存在があるでしょう。たとえば、制限速度がなければ危険な速度で車が走るという... 2024.10.29 人間・社会精神医学・精神医療
仁泉堂医院 精神科医の物差し:柔軟な視点が求められる時 「精神科医の物差し」―これは、ある患者さんが使った表現です。精神科医は、教科書や論文から得た知識に加え、研修や経験を積み重ねながら、多様な患者さんを診察する技術を磨いていきます。その過程で、精神科医の「物差し」は、日々の学習や実践によって精... 2024.10.24 仁泉堂医院精神医学・精神医療
人間・社会 引き算の美学:日本文化に宿る本当の自由 日本文化には「引き算の美学」という概念があります。茶道、華道、日本庭園、和食などに見られるように、足りない部分があるからこそ、そこに可能性を生み出し、人々が自由に想像を膨らませる余地が生まれるのです。空間に余白を残すことで、感じる側に委ねら... 2024.10.20 人間・社会精神医学・精神医療
人間・社会 私という国家:外交と内政のバランスを見直す 「私」という主体と国家運営のような役割の関係について、10年ほど前に考えたことがあります。 「私」はあたかも国家における政府のように、外界との関わり(外交)と自分自身、つまり身体や心(内政)を上手く管理しながら、バランスを取って生きようとし... 2024.10.17 人間・社会精神医学・精神医療
仁泉堂医院 同じ言葉、異なる物語:精神科診察で必要な言葉の読み解き 精神科の診察では、患者さんの内面を理解するための大切な手がかりは「言葉」です。しかし、言葉というのは単に表面的な意味だけでなく、背景に深いイメージや経験が含まれていることが多くあります。 例えば、ある患者さんが「もう頑張りたくない」と言った... 2024.10.12 仁泉堂医院精神医学・精神医療
精神医学・精神医療 心の健康は身体から始まる:今すぐできるケアの方法 心を大切にするためには、まず身体を大切にしよう 最近、心のケアがとても重要視されるようになりましたね。学校教育でも、無理に何かをやらせるのではなく、本人の気持ちを尊重する風潮が強くなっていると感じます。心の健康を大事にすることは、もちろん素... 2024.10.10 精神医学・精神医療
精神医学・精神医療 神経症治療に薬は本当に必要?薬を手放すという選択肢 私は、神経症の治療において必ずしも薬が必要であるとは考えていません。実際に、患者さんに「薬を減らしたり、やめてみませんか?」と提案すると、多くの方が「できれば、薬はない方が良いです」とおっしゃいます。このとき、私はこう伝えます。 「薬を手放... 2024.10.06 精神医学・精神医療
仁泉堂医院 神経症治療に必要なもの:薬だけに頼らないアプローチ 統合失調症や双極性障害と、不安症などの神経症では、治療のアプローチが大きく異なります。統合失調症や双極性障害は、症状が繰り返し悪化することで、認知機能が低下するリスクがあります。そのため、できるだけ早く治療を開始し、薬で脳の状態を安定させる... 2024.10.02 仁泉堂医院森田療法精神医学・精神医療
森田療法 精神的なものだから、精神科に行きなさいってどういうこと? 3人の方が左腕の痛みを訴えています。 Aさん:「左腕に痛みがある」→ 検査で左腕に骨折が見つかりました。 Bさん:「左腕に痛みがある」→ 検査では異常が見つかりませんでした。 Cさん:「左腕に痛みがある」→ 検査で右腕に骨折が見つかりました... 2024.09.30 森田療法精神医学・精神医療