精神科医が
「あるがまま」の本当の意味を語ります

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自然適応療法

自分の暮らしを整える力──薬に頼る前にできること

眠れない、体が重い、なかなか痩せない――こうした不調を感じるとき、薬での解決を考える方も多いかもしれません。けれど、ちょっと立ち止まって、自分の暮らしを見つめ直してみることで、体は自然に整っていくこともあります。不調は「暮らしの声」私たちの...
森田療法

「生き方」を見つめ直す勇気 〜心の回復のために〜

精神科を訪れる方々と日々向き合っていると、「今のままの生き方を変えたくない」という強い気持ちに触れることがあります。これは一見すると「頑固さ」とも感じられるのですが、よくよく話を聞いてみると、それまでの人生で培ってきた信念や価値観に深く根ざ...
人間・社会

本当に助けてる?支援の名のもとに奪っているもの

「この子のために」「生徒のために」「患者さんのために」――そう思って関わった言葉や行動が、実はその人の自然な成長や回復の力を奪ってしまっていることがあるとしたら、どう感じるでしょうか。親、教師、医師など、人を支える立場にある私たちは、良かれ...
人間・社会

制度が感謝を遠ざけるとき

私たちの暮らしは、さまざまな「制度」によって成り立っています。信号機があって交通の流れが整い、曜日ごとにゴミが決まった時間に回収され、水道や電気が当たり前のように使える。こうした仕組みは、現代社会の恩恵そのものです。けれども、時に疑問に思う...
精神医学・精神医療

「ストレス」とは本当は何か?――言葉を変えると、心が整理される

最近は、「ストレス」という言葉が日常的に使われるようになりました。診察室でも、患者さんからこんな言葉をよく耳にします。「上司の態度がストレスで…」「あの出来事が本当にストレスでした…」一見、よくある表現のように思えるかもしれませんが、この「...
日常

鉢植えのアジサイと庭のアジサイ――回復のヒント

連休が明けてふと鉢植えのアジサイを見ると、花や葉がしおれていました。どうやら水やりを忘れてしまったようで、負担をかけてしまったようです。慌てて水をあげると、少しずつ元気を取り戻してくれましたが、それでも季節が進めばやがて花は朽ちていくでしょ...
精神医学・精神医療

暗闇だから見えた、一歩の大切さ ― トレイルと心の共通点

先が見えないことは、不安かもしれない。でも、見えないからこそ、心が折れずに進めることがある――。真っ暗な山道を走り続けたレースの中で、私は大切なことに気づきました。先月、私はトレイルランニングレース「Mt.FUJI 100 KAI 70K」...
仁泉堂医院

“このままでいいのか?”が、はじまりだった

人は誰しも、自分なりの「正しさ」を持っているものです。そして、その正しさがまわりの人たちと一致しているかどうか、つまり「多数派かどうか」を気にしてしまうことも少なくありません。けれど、本当に大切なのは、今この現実に向き合いながら、自分の中の...
自然適応療法

学び方はひとつじゃない──自然な選択が子どもを育てる

あるお子さんが、集団での学習が難しく、特別支援学級を利用していました。ところが、その支援学級の人数が15人を超えると、そこにも通えなくなってしまいました。支援学級は本来、一人ひとりに合った学びを保障する場所のはずです。しかし現実には、別の集...
森田療法

「睡眠障害は医療で治すもの?」――自然のリズムに立ち返る視点から

最近、「睡眠障害は医療機関にかかろう」というキャンペーンを目にする機会が増えました。確かに、睡眠は心身の健康のバロメーターであり、乱れた睡眠が続けば日中の活動にも支障をきたします。その意味で、「早めに相談を」というメッセージには一理あります...
森田療法

「生き方」を見つめ直す勇気 〜心の回復のために〜

精神科を訪れる方々と日々向き合っていると、「今のままの生き方を変えたくない」という強い気持ちに触れることがあります。これは一見すると「頑固さ」とも感じられるのですが、よくよく話を聞いてみると、それまでの人生で培ってきた信念や価値観に深く根ざ...
森田療法

「睡眠障害は医療で治すもの?」――自然のリズムに立ち返る視点から

最近、「睡眠障害は医療機関にかかろう」というキャンペーンを目にする機会が増えました。確かに、睡眠は心身の健康のバロメーターであり、乱れた睡眠が続けば日中の活動にも支障をきたします。その意味で、「早めに相談を」というメッセージには一理あります...
仁泉堂医院

自然適応療法のルーツと、その独自性について

―― 欧米の自然療法とは違う、日本生まれの「自然との向き合い方」「自然適応療法」という言葉を、私たちは最近使い始めました。名前から「ナチュロパシー」や「自然療法」といった欧米発のアプローチを連想される方もいるかもしれませんが、私たちの自然適...
仁泉堂医院

自然の摂理に耳を澄ます 〜私たちは何に生かされているのか〜

前回の記事では、「トイ・ストーリー」を通して、私たち人間もまた、自然の摂理という大きな流れの中で生きている存在かもしれない、というお話をしました。社会の中で生きていると、私たちはどうしても、物事を「人間の視点」からだけ見てしまいがちです。何...
日常

登りのフォームが見つからないまま、練習会を終える

いつもトレーニングで登っている水沢山で、練習会が行われました。参加者の中には、私よりもずっと速いメンバーが揃っていて、ついていくのがやっと。いや、正直に言えば、全然ついていけませんでした。「脚をもっと早く地面から離すといいよ」「体重はもう少...
仁泉堂医院

名コーチではなく、先輩ランナーとして──私の森田療法実践記

ある患者さんから、印象的なフィードバックをいただきました。「前回は先生との距離が遠くて、見失ってしまうような感覚でした。どんどん先へ進んで、置いていかれるように感じました。」その言葉に、私ははっとさせられ、深く反省しました。ちょうど最近、私...
人間・社会

人はなぜ助言を受け入れるのか?

人は基本的に、自分の意志で行動したいものだと思います。例えば、公園で遊んでいる子どもが「まだ帰りたくない!」と駄々をこねる姿、学校指定のカバンを持つことに不満を抱く中学生の声、家電量販店で店員に商品の説明を受けると少し煩わしく感じる瞬間…。...
仁泉堂医院

神経症の苦悩と、薬を使わない治療の価値

神経症に悩む人に対して、「そんなことで悩まなくてよいのに」という言葉は、最も避けるべきものです。その苦しみは、経験のない人にはなかなか理解しにくいものですが、私は患者さんとの対話の中で、次のようなたとえ話をしました。「防護服を着たままの登山...
仁泉堂医院

「現実を直視しなくてはいけないのですか?」

「どんなに苦しくても、今起きている現実を直視しなくてはいけないのですか?」そう患者さんに問われたとき、私はこう答えました。「目をそらすことは、さらに苦しさを増すことにつながるかもしれません」このやり取りは、抗不安薬の減量を目指す患者さんとの...
森田療法

逃げるか?それとも立ち向かうか? 〜「選択する勇気」を持つことの大切さ〜

逃げてはいけないのか? 患者さんとの対話から診察の中で、対人関係の悩みや仕事の問題を抱えた患者さんから「逃げてはいけないのでしょうか?」と尋ねられることは少なくありません。このような問いに答える際には、「行動の選択」という視点を意識すること...
自然適応療法

自分の暮らしを整える力──薬に頼る前にできること

眠れない、体が重い、なかなか痩せない――こうした不調を感じるとき、薬での解決を考える方も多いかもしれません。けれど、ちょっと立ち止まって、自分の暮らしを見つめ直してみることで、体は自然に整っていくこともあります。不調は「暮らしの声」私たちの...
森田療法

「生き方」を見つめ直す勇気 〜心の回復のために〜

精神科を訪れる方々と日々向き合っていると、「今のままの生き方を変えたくない」という強い気持ちに触れることがあります。これは一見すると「頑固さ」とも感じられるのですが、よくよく話を聞いてみると、それまでの人生で培ってきた信念や価値観に深く根ざ...
日常

鉢植えのアジサイと庭のアジサイ――回復のヒント

連休が明けてふと鉢植えのアジサイを見ると、花や葉がしおれていました。どうやら水やりを忘れてしまったようで、負担をかけてしまったようです。慌てて水をあげると、少しずつ元気を取り戻してくれましたが、それでも季節が進めばやがて花は朽ちていくでしょ...
仁泉堂医院

“このままでいいのか?”が、はじまりだった

人は誰しも、自分なりの「正しさ」を持っているものです。そして、その正しさがまわりの人たちと一致しているかどうか、つまり「多数派かどうか」を気にしてしまうことも少なくありません。けれど、本当に大切なのは、今この現実に向き合いながら、自分の中の...
自然適応療法

学び方はひとつじゃない──自然な選択が子どもを育てる

あるお子さんが、集団での学習が難しく、特別支援学級を利用していました。ところが、その支援学級の人数が15人を超えると、そこにも通えなくなってしまいました。支援学級は本来、一人ひとりに合った学びを保障する場所のはずです。しかし現実には、別の集...
森田療法

「睡眠障害は医療で治すもの?」――自然のリズムに立ち返る視点から

最近、「睡眠障害は医療機関にかかろう」というキャンペーンを目にする機会が増えました。確かに、睡眠は心身の健康のバロメーターであり、乱れた睡眠が続けば日中の活動にも支障をきたします。その意味で、「早めに相談を」というメッセージには一理あります...
仁泉堂医院

自然適応療法で後悔のループから抜け出す

うまくいかなかったときや、納得できない結果に直面したとき、人はつい「もしあのときこうしていたら」と考えます。けれど、その想像は現実では起きていない出来事です。存在しない過去に心を向け続けることは、自分を苦しめる原因になります。未来に対して「...
仁泉堂医院

自然適応療法のルーツと、その独自性について

―― 欧米の自然療法とは違う、日本生まれの「自然との向き合い方」「自然適応療法」という言葉を、私たちは最近使い始めました。名前から「ナチュロパシー」や「自然療法」といった欧米発のアプローチを連想される方もいるかもしれませんが、私たちの自然適...
仁泉堂医院

自然に適応するということ 〜私たちが取り戻せる力〜

前回までの記事では、「自然の摂理に耳を澄ます」ということについて考えてきました。これは、単なる考え方にとどまるものではありません。私自身、医療の現場で多くの方と向き合う中で、「自然のリズムを無視した暮らし」が、心や体の不調を引き起こしている...
精神医学・精神医療

暗闇だから見えた、一歩の大切さ ― トレイルと心の共通点

先が見えないことは、不安かもしれない。でも、見えないからこそ、心が折れずに進めることがある――。真っ暗な山道を走り続けたレースの中で、私は大切なことに気づきました。先月、私はトレイルランニングレース「Mt.FUJI 100 KAI 70K」...
仁泉堂医院

アスリートのメンタルケアと神経症治療の共通点

人間の心は、しばしば現実を歪めて捉えてしまいます。神経症の患者さんは、「起きてもいないこと」を恐れ、「変えられないもの」をなんとか変えようと焦ります。そしてその努力が、かえって不安を強め、心を疲弊させていくのです。同じことが、アスリートの世...
日常

登りのフォームが見つからないまま、練習会を終える

いつもトレーニングで登っている水沢山で、練習会が行われました。参加者の中には、私よりもずっと速いメンバーが揃っていて、ついていくのがやっと。いや、正直に言えば、全然ついていけませんでした。「脚をもっと早く地面から離すといいよ」「体重はもう少...
仁泉堂医院

診察室をハイテーブルに変えました──「立つこと」と「対話の場」

先週から、クリニックの診察室のテーブルをハイテーブルに変えました。これには2つの理由があります。1. 立って診察するという選択私はランナーとしてのパフォーマンス向上のため、月に一度トレーナーさんに診てもらっています。先日、そのトレーナーさん...
日常

運動にもバリエーションを──ラグビーをクロストレーニングに

先日、健康的な食事にはバリエーションが大切だという話を書きました。さまざまな食材を摂ることで、栄養バランスが整い、健康を維持しやすくなります。それならば、運動も同じではないでしょうか?私はトレイルランニングという競技をしています。一口にトレ...
日常

ノーサイドの先にあるもの

大学医学部時代、私はラグビーに情熱を注いでいました。卒業してから23年の時が流れましたが、今でも現役の部員たちが定期的に試合結果や活動報告をOBである私たちに届けてくれます。そのおかげで、私は母校のラグビー部とのつながりを持ち続けています。...
日常

「できない」は自己暗示? 〜ランニングから学んだこと〜

限界を決めていたのは自分だった先日、ランニングの練習会に参加しました。練習メニューは「4分半/kmのペースで10km走る」というもの。これまで5分半〜6分/kmでしか走ったことがなかった私は、「そんなスピードで走り続けるのは無理だろう」と思...
仁泉堂医院

ランニングフォームから見る「連動性」の重要性と精神科治療への応用

昨年、私はレースのたびに故障を繰り返す自分の課題を克服するため、ランニングクリニックに通い始めました。そのクリニックの院長である宮川浩太さんは、ランニングフォームについて非常に興味深い考えをお持ちで、ホームページには次のように記されています...
日常

栃木トレーニングトレイルレース2025冬に挑戦してきました!

先週末、みかも山公園で開催された「栃木トレーニングトレイルレース2025冬」に参加しました。昨年9月のウルトラマラソン後、故障に悩まされてきましたが、ランニングクリニックでフォームを見直し、ついに痛みを気にせず走れる状態に回復しました。この...
日常

筋肉と記憶の繋がりを感じた瞬間

先日、ランニングクリニックで股関節周囲の筋肉をトレーニングしている際、大学ラグビー部時代の記憶が次々と蘇りました。サインプレーの動き、スクラムで相手チームのプッシュに耐えた瞬間、さらには私のディフェンスミスで試合の流れを悪くしてしまった悔し...
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