精神医学・精神医療

精神医学・精神医療

精神科診断の難しさ

精神科の診断は、身体疾患と違って症状に基づいて行われます。しかし、この「症状」というものは、一口に定義しきれない「裾野の長い山」のようなものです。どこまでを山と呼ぶのか、その範囲をどこで線引きするかによって、診断が異なってくるのです。 まず...
人間・社会

制度に頼らない医療のために:医療者と患者、それぞれの責任

制度が複雑化する理由とは? 医療制度は次々に新しい規制が追加され、年々複雑化しています。制度が増える理由の一つには、「規制がないと過剰な行動が生じる」と考える人たちの存在があるでしょう。たとえば、制限速度がなければ危険な速度で車が走るという...
仁泉堂医院

精神科医の物差し:柔軟な視点が求められる時

「精神科医の物差し」―これは、ある患者さんが使った表現です。精神科医は、教科書や論文から得た知識に加え、研修や経験を積み重ねながら、多様な患者さんを診察する技術を磨いていきます。その過程で、精神科医の「物差し」は、日々の学習や実践によって精...
人間・社会

引き算の美学:日本文化に宿る本当の自由

日本文化には「引き算の美学」という概念があります。茶道、華道、日本庭園、和食などに見られるように、足りない部分があるからこそ、そこに可能性を生み出し、人々が自由に想像を膨らませる余地が生まれるのです。空間に余白を残すことで、感じる側に委ねら...
人間・社会

私という国家:外交と内政のバランスを見直す

「私」という主体と国家運営のような役割の関係について、10年ほど前に考えたことがあります。 「私」はあたかも国家における政府のように、外界との関わり(外交)と自分自身、つまり身体や心(内政)を上手く管理しながら、バランスを取って生きようとし...
仁泉堂医院

同じ言葉、異なる物語:精神科診察で必要な言葉の読み解き

精神科の診察では、患者さんの内面を理解するための大切な手がかりは「言葉」です。しかし、言葉というのは単に表面的な意味だけでなく、背景に深いイメージや経験が含まれていることが多くあります。 例えば、ある患者さんが「もう頑張りたくない」と言った...
精神医学・精神医療

心の健康は身体から始まる:今すぐできるケアの方法

心を大切にするためには、まず身体を大切にしよう 最近、心のケアがとても重要視されるようになりましたね。学校教育でも、無理に何かをやらせるのではなく、本人の気持ちを尊重する風潮が強くなっていると感じます。心の健康を大事にすることは、もちろん素...
精神医学・精神医療

神経症治療に薬は本当に必要?薬を手放すという選択肢

私は、神経症の治療において必ずしも薬が必要であるとは考えていません。実際に、患者さんに「薬を減らしたり、やめてみませんか?」と提案すると、多くの方が「できれば、薬はない方が良いです」とおっしゃいます。このとき、私はこう伝えます。 「薬を手放...
仁泉堂医院

神経症治療に必要なもの:薬だけに頼らないアプローチ

統合失調症や双極性障害と、不安症などの神経症では、治療のアプローチが大きく異なります。統合失調症や双極性障害は、症状が繰り返し悪化することで、認知機能が低下するリスクがあります。そのため、できるだけ早く治療を開始し、薬で脳の状態を安定させる...
森田療法

精神的なものだから、精神科に行きなさいってどういうこと?

3人の方が左腕の痛みを訴えています。 Aさん:「左腕に痛みがある」→ 検査で左腕に骨折が見つかりました。 Bさん:「左腕に痛みがある」→ 検査では異常が見つかりませんでした。 Cさん:「左腕に痛みがある」→ 検査で右腕に骨折が見つかりました...
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