精神医学・精神医療

仁泉堂医院

症状ではなく、生活を見る

「診断しない」という考え方私はときどき、「診断しない」という言葉を使うことがあります。ここで言う診断とは、症状の組み合わせによって分類される診断のことです。精神医学では、たとえば DSMや ICDといった基準がよく用いられます。これらは本来...
森田療法

待つ力

人は、想定外の出来事が起きたとき、なんとかして「想定通りの状況」に戻そうとして、ついジタバタしてしまいます。しかし実際には、こちらが想定していたほうが不自然で、想定外に起きたことのほうが、むしろ自然な流れであることも少なくありません。そのよ...
仁泉堂医院

ある二つのスマホ相談窓口の話

スマホ相談窓口「仁」スマホの相談窓口「仁」には、「思った通りに動かないんです」という相談が毎日のように届く。実際に話を聞いてみると、その多くは深刻な故障ではない。まず多いのは、使い方の問題だ。画面のどこを押せばよいのか、どの順番で操作すれば...
人間・社会

矛盾のある世界で、どう生きるか

私たちは、ときどき「世の中って、なんだかおかしいな」と感じることがあります。人間はもともと、矛盾を抱えた存在です。そして、その人間が作った社会や制度も、やはりどこか矛盾を含んでいます。たとえば、交通事故で毎日のように人が亡くなっているのに、...
仁泉堂医院

タイパ社会が生み出す心の不調

「タイパ」「コスパ」という言葉が、すっかり日常に定着しました。できるだけ短時間で、無駄なく、便利に。仕事でも生活でも、その姿勢が良しとされる時代です。けれど私は、一見すると無駄に見える時間や、不便さの中にこそ、心の豊かさが育つと感じています...
森田療法

考えすぎた心を、現実に戻す

診察の場で、「私はうつだと思います」「家族から、不安障害じゃないかと言われました」このようにお話しされる方は少なくありません。うつ、不安、トラウマ、ストレス、パニック、発達障害、愛着障害――。これらの言葉は、今では日常会話の中でも当たり前に...
精神医学・精神医療

自分の気持ちは“自分の言葉”で語ってみる

ある日、出張で相談窓口に入ったときのことです。若い相談者が「自分は感覚過敏とゲーム依存とHSPだと思う」と話してくれました。「その言葉はどこで知ったの?」と尋ねると、身近な大人とSNSで見かけたという答えが返ってきました。そこで私は、日々ど...
仁泉堂医院

野外災害救急法を学んで気づいた、心のケアに必要な“時間”の感覚

先週、クリニックを数日お休みして、ウィルダネスメディカルアソシエイツ(WMA)が主催する野外災害救急法を学んできました。山岳地帯や災害時など、都市型の救急システムにすぐアクセスできない状況で、どう命をつなぐか——そのための理論と実践です。受...
人間・社会

「社会に適応できない」と言われる人たちへ ― 「できない」ではなく「しない」という見方

前回の記事では、「できるけど、しない」という生き方の大切さについて考えました。今回は、その考えを「社会に適応できない」と言われる人たちの問題に当ててみたいと思います。「適応できない」とは、誰の視点か発達症のある方や、いわゆる「社会に馴染めな...
仁泉堂医院

薬を「なるべく使わない治療」と「全く使わない治療」の違い

薬はなるべく使いたくない——そう考える患者さんや医師は少なくありません。実際、薬の使用を最小限にとどめ、自然な回復力を生かしたいという願いは、誰にとっても共感できるものです。しかし、治療が行き詰まったとき、医師も患者も、つい薬に意識が向いて...
タイトルとURLをコピーしました