仁泉堂医院

仁泉堂医院

「神経症」と「不安症」の違いを考える:当院で神経症という言葉を用いる理由

「神経症」という言葉は、20世紀初頭、フロイトの時代から使われてきました。この概念は、「脳そのものの疾患ではなく、心理的や環境的な影響による精神的不調」を表すものとして発展しました。同時代の森田正馬も、ヒポコンドリー基調(身体の不快感に敏感...
仁泉堂医院

不安症(神経症)治療の国際基準と日本の現状:精神療法の重要性と私の実践

1. 日本の不安症(神経症)治療が抱える問題について不安症は現代社会で多くの人々が抱える課題ですが、その治療法は国によって大きく異なります。特に、日本では国際的に推奨されていない治療が一般的に行われている現状があります。本記事では、不安症治...
仁泉堂医院

「一周まわって、何とかなった」——患者さんの言葉に学ぶ人生の回復力

「病気をいっぱいしたから、一周まわって、何とかなったんですかね」これは、ある患者さんの口から出た、非常に印象的な言葉です。この方は数年来、私の元へ通院されていました。過去には睡眠薬や抗うつ薬の服用を続けており、治療の一環として薬を使わない選...
仁泉堂医院

仁泉堂のマークに込めた想い

今日は、仁泉堂医院の開業時に私自身がデザインしたマークについて、お話ししようと思います。このマークは診察券や私の名刺にも使われており、ブログのサイドバーのプロフィール欄にも白地に緑色で記されています。このデザインは、「自分の尾に噛み付いてい...
仁泉堂医院

「うつ」は必ずしも「うつ病」ではない:薬に頼らないアプローチ

「うつ」と「うつ病」は同じではありませんこのブログをご覧いただいている方の中には、「自分は『うつ』だけれど、神経症ではないから仁泉堂を受診できないのではないか」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、当院での診療方針と「う...
仁泉堂医院

自分を主人公とした物語を語る意義

心の物語を語るということ心の世界は、各人が持つ固有の物語です。「最近はいかがですか?」という質問に、皆さんはどのように答えるでしょうか。診察室で私が行っていることは、それぞれの物語を語っていただき、その声に耳を傾けることです。ただし、この「...
仁泉堂医院

忘れ物が多い人の意外な成功体験と「並列つなぎ」のヒント

先日、不注意が原因で忘れ物や失くし物が多い方とお話しする機会がありました。その方は、職場ではよく失くし物をしてしまったり、作業手順を間違えて機械を壊してしまうこともあるそうです。でも、先日車で旅行に出かけた際には、驚くほどスムーズに旅を楽し...
仁泉堂医院

初診で生い立ちや生活背景をお聞きする理由

多くの精神科診療所やカウンセリングルームでは、初めての面接時に患者さんの生い立ちや生活背景を詳しく伺います。当院、仁泉堂医院でも同じようにしています。しかし、私は診療において「トラウマ」という概念を用いることは一切ありません。それでも、生い...
仁泉堂医院

“〜じゃないですかぁ”が妨げる「あるがまま」の生き方

診察の中で、患者さんから時々「〜じゃないですかぁ」という言葉を耳にすることがあります。例えば、「上司には逆らえないじゃないですかぁ」「子育ては大変じゃないですかぁ」「頭痛は辛いから、頭痛薬を飲むしかないじゃないですかぁ」といった表現です。か...
コミュニケーション

「ハシゴ」の比喩と人間関係の豊かさ

ある患者さんとの対話で、印象的なやり取りがありました。その方は、これまでうまくいっていたと感じていた人間関係で、突然「ハシゴを外されたような感覚」になり、これまでの自分の人間関係の結び方に迷いが生じた、と話していました。私は、「ハシゴをかけ...
タイトルとURLをコピーしました