不安症(神経症)治療の国際基準と日本の現状:精神療法の重要性と私の実践

仁泉堂医院

1. 日本の不安症(神経症)治療が抱える問題について

不安症は現代社会で多くの人々が抱える課題ですが、その治療法は国によって大きく異なります。特に、日本では国際的に推奨されていない治療が一般的に行われている現状があります。本記事では、不安症治療の国際的な基準であるNICEガイドラインと日本の治療法を比較し、私が行う治療の特徴を紹介したいと思います。

2. 日本とNICEガイドラインの違い

心理療法(精神療法)を優先するNICEガイドライン

• NICEは、不安症治療において心理療法、特に認知行動療法(CBT)を第一選択としています。これは、不安の生じるメカニズムに働きかけ、患者さん自身が考え方や行動を変える力を身につけることを目的としています。

薬物療法に依存しがちな日本の現状

• 一方で、日本では薬物療法が中心的な治療法とされることが多く、心理療法が後回しにされる傾向があります。特に、ベンゾジアゼピン系薬剤が頻繁に処方され、即効性を重視する治療が行われています。

• しかし、薬物療法だけでは不安の根本的な解決にはつながらないことが多く、再発リスクが高まる可能性も指摘されています。

3. 心理療法教育の不足が招く課題

• 日本では、心理療法を専門的に提供できるセラピストの数が限られており、教育システムが十分に整備されていない現状があります。

• このため、患者が心理療法を受ける機会が少なく、薬物療法が選択される場面が多くなってしまっています。

4. 私の実践する治療法

心理療法に基づく治療

• 私のクリニックでは、薬物療法を行わず、心理療法を中心とした治療を行っています。特に、不安症に対しては森田療法を活用し、患者さん自身が不安との向き合い方を学べるよう支援しています。

• 治療では、患者さん一人ひとりに合わせたアプローチを重視し、しっかりと対話を重ねながら進めています。

治療の目的

• 私の目標は、患者さんが不安を「なくす」ことだけでなく、それと共に生きていく力を身につけることです。不安をコントロールするのではなく、その存在を受け入れながら、行動を通じて日常生活を改善していく支援を行っています。

5. 読者の皆さまへ

不安症に対する治療にはさまざまな選択肢がありますが、私は薬物に頼らず、心理療法を通じて患者さんの力を引き出すことを大切にしています。これこそが国際的なガイドラインに沿った治療方針です。不安症にお悩みの方は、一緒にその解決策を考えてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました