前回のマラソンレースでは、途中で歩く場面もありましたが、なんとかゴールにたどり着きました。しかし、気がつくと左脚を故障していました。この経験を振り返ると、途中で棄権していれば故障は防げたのかもしれません。一方で、棄権していたら自信を失っていたかもしれないとも思います。
沿道からの応援は大きな力になりますが、時に「あきらめる」という決断を妨げることもあります。これはマラソンだけでなく、日常生活や仕事の場面にも通じる話ではないでしょうか。
マラソンは私を含めた一部の人にとって趣味ですが、社会という耐久レースには、多くの人が自分の意思とは関係なく参加しています。ここで気をつけるべき大切なポイントがいくつかあります。
社会の耐久レースで覚えておきたいこと
ひとつ目は、社会の耐久レースは一度きりではない、という点です。
あるレースは調整のために使っても良いし、途中で棄権することもできます。また、調子が良い時には難しいコースに挑戦することもできるし、準備不足の時はレースを見送るのもひとつの選択です。一回一回がすべてではありません。
ふたつ目は、自分に合った走り方を選ぶことです。
体力が十分でないなら、ゆっくりしたペースで休憩しやすいコースを選べば良い。自信があるなら、難しいコースを選んで高順位を狙っても良いでしょう。社会には「難しいコースを走り抜け、高順位を狙う方が成功する」という価値観がありますが、それがすべてではありません。
私はマラソンを走るとき、高順位を狙うことはありません。大切なのは、自分の能力の範囲で最善を尽くすことだと思っています。前回のレースを振り返ると、自分の実力を超えた目標を立てたことが反省点でした。走力はフォームやトレーニングで高められますが、限界もあります。年齢とともに筋力や心肺機能が衰える日も来るでしょう。それでも、その時々に合ったレースを選び、自分なりの走りを楽しみたいと考えています。
他人の声に惑わされず、自分のレースを選ぶ
どのレースに出るべきか、他のランナーの声が気になることがあります。レース中に沿道からの声援が耳に残ることもあります。応援や他人の意見は励みになる一方で、自分の判断を揺るがすこともあります。
だからこそ、どのレースを選ぶのか、自分の走り方をどう決めるのか。それを見失わないことが大切です。
無理をして心を消耗しがちな人や、理想が高く現実の自分を否定しがちな人にこそ、このメッセージが届けばと思います。社会の耐久レースを走る上で、無理をせず、自分自身を大切にしながら前に進むことが何よりも重要なのです。
画像は「みちくさウルトラマラソン」という企画をされている団体の紹介です。早くゴールしてはいけない、途中の休憩場所で補給食を楽しむことが優先されるマラソンです。
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