第41回日本森田療法学会を振り返って

森田療法

第41回日本森田療法学会において私の発表に多くの反響をいただきました。家族療法と森田療法の共通点と相違点を理論的に整理した内容が好評だったことは、大変ありがたく感じています。

学会全体を通して印象的だったのは、森田療法の重要な側面である「症状不問」を実践するための多様な工夫が紹介されていた点です。私は診療の中で、対象患者に一定の基準を設けつつ、症状不問の補助技法としてリフレイミングを用いています。一方で、解離症や発達症、自我機能が不安定な患者さんを治療対象とする事例についても発表がありました。ある治療者の方は、クライアントの基本的信頼感が育つまで数年かけて関わる姿勢を示しており、その深い取り組みに感銘を受けました。しかし森田療法の短期療法的な長所を活かすためには、長期間を要する事例を適応とするかは議論が残るところだと思います。少なくとも、医師が保険診療内で外来森田療法を提供する際には、治療対象に一定の基準を設ける必要性を感じました。

また、私にとって「目から鱗」だったのが、瞑想箱庭療法に関する演題です。この治療法では、治療者が瞑想状態になることでクライアントへの影響力を最小限に抑え、クライアントが治療者の存在を意識せずに箱庭に取り組めるという点に意義があります。この新しいアプローチには大きな関心を抱きました。

今回の学会では、多くの初対面の方々と交流する機会にも恵まれました。この経験を通じて、森田療法についてさらに学びを深めたいという思いを新たにしています。

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