今週末の第41回日本森田療法学会(in 高知)で一般演題を発表します。発表要旨は以下の通りです。学会に参加される方は、ぜひ私の発表をお聴きいただきたいと思います。また御参加できない方で関心のある方には、後日個別にお伝えし、議論したいと思います。
「あるがまま」が生むシステムの変化:森田療法の対人関係への応用
職場の対人関係の問題を抱えた20代男性の事例を通じ、システム論的家族療法と外来森田療法の補完的な活用について検討した。本事例では、職場の人間関係が問題として捉えられていたが、家族療法のリフレーミング技法を用いて「顧客満足度向上」という目的を明確化し、関係性の文脈を変えることで悪循環を断ち切ることが可能となった。また、森田療法の「あるがまま」の姿勢により、不快感の排除から顧客への貢献へと行動が転換され、精神交互作用が弱まると同時に、「人や環境は思い通りにならない」ことを体得した。これにより思想の矛盾が解消され、人格的な成長が促進された。本事例を通じて、家族療法が外的システムの変化に、森田療法が内的変化に寄与することが確認され、両技法を組み合わせる意義が示唆された。
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