排斥の時代に考える:森田療法が教える共存の大切さ

人間・社会

森田療法では、不快な感覚や思考を無理に排除せず、共存することを目指します。現代の医学では、不快な感覚を「症状」として捉え、それを取り除く方向に進みがちですが、森田療法の特徴は、不都合や不愉快な感情も排斥しない点にあります。

社会全体でも、排斥行動はよく見られます。メディアが過ちを犯した人を徹底的に叩いたり、SNSで失言や独自の意見が炎上したりするのも、その一例でしょう。背後には、ある特定の主義や考え方が存在し、それが排斥行動を助長しているといえます。

歴史を振り返ると、どんな主義であれ、一度「〜主義」という形で固定化されると、他者を排斥する行動が始まってしまうことが多いのです。資本主義も社会主義も、その例外ではありません。

この問題を克服するためには、森田療法が提唱する「不快なものを排除しない」という視点が重要ではないでしょうか。自分の欲望を見つめ直し、それに従って行動すること。他人の失敗を責めたり、主義や集団に没頭するのではなく、自分の心と体のケアや、目の前にある現実的な作業に集中することが、今の時代に求められているのだと思います。

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