助言をどう受け取るか

仁泉堂医院

診療の場で、行動の改善点をお伝えするとき、しばしば次のような反応があります。

  • 「それはできません」と、行動を回避する
  • 「自分は悪くない」と、正当性を主張する
  • 運動や栄養の指導をしても、一度試しただけで「効果がなかった」と結論づける
  • 指示通りにやった結果、多少の不調が出ただけで「合わなかった」と辞めてしまう

これらはいずれも、自分の生き方を変えたくない気持ちの表れといえます。

もちろん、他者からの助言をすべて鵜呑みにする必要はありません。しかし、その中に「自分を変えるヒントや成分」が含まれていることは多いのです。試しにやってみて、そこから役立つ部分を取り入れる姿勢が、自分を前に進めてくれます。

森田療法が大切にする「あるがままを受け入れる」という姿勢は、こうした取り組み方とも通じています。最初から完璧な答えを求めるのではなく、助言を素直に試し、自分の経験を通して確かめていく。その過程でこそ、本当の変化が生まれるのだと思います。

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