山と人間関係 ― 立ちはだかるものをどう捉えるか

人間・社会

トレイルランニングをしていると、思いがけない障害に出会います。

急な登りに息が上がり、倒木の根っこに足を取られ、岩に爪先をぶつけ、転んでしまうこともある。自然の中では、順調に進ませてもらえることの方が少ないのです。

では、人生で出会う人々はどうでしょうか。

山と人間は違う、と言う人もいるでしょう。たしかに人と人とはコミュニケーションを交わします。しかし、私たちが思うほど、相手は常にこちらを意識しているわけではありません。

ときに人間関係の中で、前に進もうとする自分を妨げるように感じることがあります。けれど、それは本当に「邪魔」なのでしょうか。もしかすると、それは山の根っこや岩と同じようなものかもしれません。確かにダメージは受ける。思い通りにいかず、痛みを感じることもある。けれど、それを踏み越えて先へ進むことはできるのです。

山は自分のために存在しているのではありません。ただそこにあるだけです。行く手を阻むように見えても、それは「邪魔しよう」としているのではなく、ただ自然の一部として存在しているのです。

そう考えると、人間関係も少し見え方が変わってきます。

相手の言動に過剰な意味を読み取らず、「ただそこにあるもの」として受け止める。そうすれば、人との関わりはこれまでほど複雑で苦しいものに感じなくなるかもしれません。

山を越えるように、人との関係もまた乗り越えていくことができる。そう思えると、進む道は少し楽になるのではないでしょうか。

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