「行動力がない」とは何か?

仁泉堂医院

ある患者さんが、「体力はあるんですが、僕は行動力が足りないと思うのです」と語ってくれました。

私は「あなたのいう行動力とは、どういう意味でしょうか?」と尋ねました。すると、その方は「やったほうがいいと思っている作業があるのに、始めると大変だからと躊躇して、結局何もしないまま一日が終わってしまう」と答えました。

この話を聞いて、「行動力」という言葉が、状況を曖昧にしてしまうことがあると感じました。

「行動力がない」とはどういうことか?

この方のケースでは、作業を行うべきだとは思っているものの、それによって得られる成果への欲求よりも、目の前の楽な選択をしたい気持ちが勝っているようでした。そのことを指摘すると、「確かにそうだ」と納得されました。

また、この方は高校時代の経験についても話してくれました。朝起きるのが苦手で1限の授業を欠席し続け、ついには学校に行かなくなったというのです。頭では「学校に行ったほうがいい」とわかっていたものの、「行かなくても命に関わるわけではないし、とりあえず生活には困らない」と考え、その場の楽な選択を続けた結果だったと、今は率直に振り返っていました。

このような経験を踏まえると、「行動力がない」とは、「今苦労をする価値を感じられず、楽な選択を優先する態度」なのではないかと思います。

行動を起こすために必要なこと

では、行動を起こすためにはどうすればよいのでしょうか?

例えば、アスリートはレースや試合を目標にトレーニングを積みますし、演奏家はコンサートに向けて練習を重ねます。これらは「今の苦労が、未来の成果につながる」と明確に意識できるため、努力を続けやすくなるのです。

ただし、人によっては明確な目標がプレッシャーになり、逆に動けなくなることもあります。そのため、あえて目標を決めず、日々の習慣として続けることで行動を積み重ねていく方法も有効です。実際、明確なゴールがない中でも努力を続けられる人こそ、本当の意味で「行動力がある人」と言えるのではないでしょうか。

まとめ

「行動力がない」と感じるとき、それは単に自分の意志が弱いのではなく、「今苦労する価値を見出せない」状態なのかもしれません。未来の自分が喜ぶ選択をするために、目標の持ち方や行動の仕方を見直してみることが大切なのではないかと思います。

行動を起こすことに悩んでいる方にとって、この考えが少しでもヒントになれば幸いです。

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