雨と寒さの中で、基準が変わった一日 〜 ITJ2025①

仁泉堂医院

今回のブログでは、伊豆トレイルジャーニー(ITJ)での体験を、3回に分けて振り返ってみたい。

華々しい結果やレースの攻略法ではなく、雨と寒さ、泥に覆われた環境の中で、何を考え、どのような判断を重ねていたのか。その感覚を言葉にしてみようと思う。

伊豆トレイルジャーニー(ITJ)は、14時頃まで雨が降り続き、気温も低く、コースは次第に泥に覆われていった。走るというより、足を取られながら前に進む時間が長くなる。結果として、完走率は57%。数字だけ見ても、相当に厳しい大会だったことが分かる。

こうした環境に置かれると、レースは単なる競技ではなくなる。

「どれだけ速く走れるか」よりも、「この状況でどう振る舞うか」が問われ始める。自然条件が前面に出てきて、人間の側がそれに合わせざるを得なくなるからだ。

トレイルランニングは、舗装路のマラソンと違い、もともと自然の影響を強く受ける競技である。だが今回は、その要素が極端な形で現れた一日だった。

この時点で私は、記録や順位よりも、今日は“生き残る側”にいることに意味があるレースになる、そう感じていた。

自然の前では、努力や気合だけではどうにもならない場面がある。仁泉堂で大切にしている「自然に抗わず、状況を正確に捉える」という姿勢は、このレースの入り口ですでに試されていたように思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました