私はトレイルランニングシューズの中で、〈アルトラ・ローンピーク9+〉が飛び抜けて相性が良いと感じています。足を入れた瞬間から、自分の体の一部になったかのような一体感があり、自然と前に進める感覚があります。
ただし、ソールが浅めなため、岩の尖りがそのまま足裏に突き上げてきますし、アスファルトの上では衝撃を強く感じます。舗装路の割合が多いレースや、スピード勝負のレースでは他のシューズを試すこともありますが、それでもやはり、ローンピークで感じる「自分の体と調和している感覚」に惹かれてしまうのです。
あまりにも相性の良いものと出会ってしまうと、他のものを受け入れがたくなる——。これはシューズに限らず、人間関係でも同じことが言えるかもしれません。仲の良い家族を羨ましがる人もいますが、私がこれまで見てきた中では、絆の強い家族ほど、他の集団に属したときに居心地の悪さを感じやすいという、不都合な側面もあるように思います。
さて、シューズの話に戻ります。
私の場合、つま先がきつかったり、足首が不安定なものは避けたいですが、多くのシューズは「お気に入りほどでなくても、それなりに機能してくれる」ものです。結局のところ、レースのタイムを左右するのはシューズよりも、自分の練習内容や実力のほうが大きいと感じます。
12月には、幸いにも抽選で国内有名レースへの出場が決まりました。比較的走れるコースなので、スピード重視のシューズで挑むか、それともお気に入りのローンピークで行くか、いま迷っているところです。

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