ある患者さんが、診察の中で教えてくれた考えがあります。
「健康>時間>お金の順番で、物事を優先することにしました」
「お金があっても時間がなければ、お金を活用できない。
時間があっても健康でなければ、その時間を活かせない。
だから、この順番なんです」
とても共感できる考えでした。しかし、この順番を本気で大切にして生きている人は、実は少ないのではないかとも思いました。
昔は自然とこの順番で生きていた
自力で食料を手に入れ、自分で家を建て、服を作っていた時代。
多くの人が「健康」「時間」「お金(貨幣ではない)」という価値の順番を、無意識のうちに体得していたのではないかと思います。
当時のお金は、あくまで「自力では手に入らないものを、互いに与え合うための手段」であって、生活の中心ではありませんでした。
現代ではお金が中心に
現代では、お金を介して手に入るものが格段に増えています。
だからこそ、つい「お金があれば何でもできる」と思いがちです。
確かに、社会制度を利用して、保険や外注を使えば、健康や時間を“お金で買える”ように見えるかもしれません。しかし、よく考えてみてください。
どれほどの富を持つ人でも、病気になりますし、やがて寿命を迎えます。
健康と時間は、お金に変えられるものではない──そのことは明白なのです。
自然の摂理を感じる時間を増やしてほしい
だからこそ、現代社会の制度との関わりはほどほどにして、もっと自然の摂理を感じる体験を増やしてほしい、と私は思うのです。
たとえば、土に触れる、季節の移ろいを感じる、朝日を浴びて深呼吸をする――
そんな小さな体験の中に、「本当に大切なもの」が見えてくるはずです。
健康、時間、お金――あなたの中での優先順位はどうなっていますか?
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