医師は薬物療法師ではない

仁泉堂医院

現代の精神科診療において、薬物療法が中心になりすぎていることに疑問を感じたことはありませんか? もちろん、統合失調症や双極症、精神病性うつ病のほか、精神病症状の「急性期」において、薬物療法は非常に重要な役割を果たします。しかし、それ以外の精神的不調においても安易に薬が処方される現状は、果たして本当に患者さんの健康を考えたものと言えるでしょうか。

私は、薬物療法が不要な範囲を明確にし、薬物を使わない治療に専門的に取り組む医師です。精神科医が行う治療は、薬を処方することだけではありません。精神療法や支援システムとの関わり、生活習慣への介入、栄養療法など、多岐にわたる治療手法があります。

しかし、日本の保険診療制度では、外来診療の時間が5〜10分程度に制限されることが一般的です。この限られた時間の中で、患者さん一人ひとりに寄り添い、じっくりと話を聞き、根本的な治療を提供することは極めて難しいのが現状です。そのため、患者さん自身も「とりあえず早く楽になりたい」と考え、薬を求めてしまう傾向があるのです。これは、糖尿病などの生活習慣病の治療分野にも共通する課題ではないでしょうか。

このままでは、精神科医だけでなく、医師全体が「薬物療法師」になってしまう危険性があります。本来、医師の役割は患者さんの健康的な生き方を支援することです。私はその信念のもと、薬物療法以外の精神療法、運動、生活習慣の改善、栄養指導に焦点を当てた治療を専門に行っています。

薬物療法が不要な精神的不調は、臨床心理士や公認心理師が対応すればよいと考える方もいるかもしれません。しかし、医師以外が「薬はいらない」「薬に頼らないほうがよい」と診断することはできません。医師以外に、そのように明言してよい資格はないのです。医師だからこそ、薬が必要かどうかを見極め、適切な治療法を提案できるのです。薬物療法に頼らずとも、根本的な改善を目指すことができるのです。

もちろん、私の取り組みが成り立つのは、薬物療法に長けた精神科医が周囲にいるからこそです。薬が必要なケースでは適切な処方を行う専門家と連携しながら、薬以外の方法で改善できる精神的不調に対して、より良い選択肢を提供することが私の使命と考えています。

「薬に頼らず、自分自身の回復力を引き出したい」とお考えの方は、ぜひ一度、仁泉堂医院での診療を体験してみてください。あなたの健康を支える新しいアプローチをご提案いたします。

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