2025-01

文学・芸術

短篇:地獄めぐり

私は暗闇を歩いていた。どうやら死んだらしい。気がつくと、目の前には一つの机があり、その向こうには大きな赤い顔の男が立っていた。その威圧的な姿に圧倒されながらも、どうやら彼が地獄の番人らしいと察した。番人は私を睨みつけながら怒鳴るように言った...
森田療法

苦しい人生の中で喜びを見出すために

私は人生を根本的に苦しいものだと捉えています。人間は、いずれ訪れる死を避けられないことを知りつつも、それまで生きるために日々努力を続けなければなりません。この根源的な苦しみの中で、どうすれば喜びや楽しさを見出すことができるのでしょうか。先日...
仁泉堂医院

ランニングフォームから見る「連動性」の重要性と精神科治療への応用

昨年、私はレースのたびに故障を繰り返す自分の課題を克服するため、ランニングクリニックに通い始めました。そのクリニックの院長である宮川浩太さんは、ランニングフォームについて非常に興味深い考えをお持ちで、ホームページには次のように記されています...
日常

栃木トレーニングトレイルレース2025冬に挑戦してきました!

先週末、みかも山公園で開催された「栃木トレーニングトレイルレース2025冬」に参加しました。昨年9月のウルトラマラソン後、故障に悩まされてきましたが、ランニングクリニックでフォームを見直し、ついに痛みを気にせず走れる状態に回復しました。この...
森田療法

森田療法の「あるがまま」を探求する:でも知的理解より体得が大事です

森田療法で用いられる「あるがまま」という言葉は、一見シンプルで明快に思えるかもしれません。しかし、実際には二つの異なる意味を内包しており、これがこの概念を深く、また捉えにくいものにしています。その二つの意味を理解することは、「あるがまま」が...
日常

社会制度と憂鬱さから距離を取るために

社会制度に関わる仕事をしていると、時折、憂鬱な気分に陥ることがあります。本音を隠しながら過ごす時間が長くなるせいかもしれません。制度というものは建前を前提としている部分が多く、その矛盾と向き合い続けることには心の負担を感じます。そんな中、私...
人間・社会

制度と個別性のジレンマを考える

教育や福祉をはじめとする制度は、社会の安定と円滑な運営を支える仕組みとして重要な役割を果たしています。しかし、その一方で、制度が存在する以上、一人ひとりの個別性が軽視されてしまうことは避けられません。制度とは「皆が従う」ことを前提としている...
仁泉堂医院

減薬を進める上での新たな視点:患者さんからの学び

調子が悪い時こそ減薬を試す意味現在、減薬を進めている患者さんの一人が、風邪を引いて体調不良が続いていました。診察で私は、「体調が回復してから、次のステップとして、もう一段階薬を減らしましょう」と提案しました。しかし、その方は思いもよらない発...
仁泉堂医院

「眠れない」を症状と捉えることの矛盾について

森田正馬は「思想の矛盾」について次のように述べています。それは「こうありたい」「こうあらねばならない」という思考と、現実の結果が反対になり、矛盾することを指します。この考え方は、私たちがしばしば混同しやすい概念――主観と客観、感情と知識、体...
仁泉堂医院

「神経症」と「不安症」の違いを考える:当院で神経症という言葉を用いる理由

「神経症」という言葉は、20世紀初頭、フロイトの時代から使われてきました。この概念は、「脳そのものの疾患ではなく、心理的や環境的な影響による精神的不調」を表すものとして発展しました。同時代の森田正馬も、ヒポコンドリー基調(身体の不快感に敏感...
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